老子:徳経:玄徳第五十六
玄德第五十六
知者不言、言者不知。塞其兌、閉其門、挫其鋭、解其紛、和其光、同其塵。是謂玄同。
知る者は言わず、言う者は知らず。其の兌を塞ぎ、其の門を閉ざし、其の鋭を挫き、其の紛を解き、其の光を和らげ、其の塵に同ず。是を玄同と謂う。
- ウィキソース「老子河上公章句/德經」参照。
- 兌 … 穴。
- 玄同 … 玄妙な道に同化すること。
故不可得而親、亦不可得而疏。不可得而利、亦不可得而害。不可得而貴、亦不可得而賤。故爲天下貴。
故に得て親しむ可からず、亦た得て疏んず可からず。得て利す可からず、亦た得て害す可からず。得て貴ぶ可からず、亦た得て賤しむ可からず。故に天下の貴と為る。
- 疏 … 底本では「踈」に作るが、二十二子所収王弼本に従い改めた。ちなみに傅奕本・道蔵所収河上公本では「䟽」に作る。いずれも「疏」の異体字。