老子:徳経:任徳第四十九
任德第四十九
聖人無常心、以百姓心爲心。善者吾善之、不善者吾亦善之。德善。信者吾信之、不信者吾亦信之。德信。
聖人は常の心無く、百姓の心を以て心と為す。善なる者は吾之を善とし、不善なる者も吾亦た之を善とす。徳は善なり。信なる者は吾之を信とし、不信なる者も吾亦た之を信とす。徳は信なり。
- ウィキソース「老子河上公章句/德經」参照。
- 常心 … 一定不変の心。
聖人在天下、歙歙爲天下渾其心。百姓皆注其耳目。聖人皆孩之。
聖人の天下に在るや、歙歙として天下の為に其の心を渾す。百姓は皆其の耳目を注ぐ。聖人は皆之を孩にす。
- 歙歙 … 底本では「怵怵」に作るが、道蔵所収王弼本・傅奕本等に従い改めた。