老子:道経:虚無第二十三
虛無第二十三
希言自然。飄風不終朝、驟雨不終日。孰爲此者、天地。天地尚不能久、而況於人乎。
希言は自然なり。飄風は朝を終えず、驟雨は日を終えず。孰か此を為す者ぞ。天地なり。天地すら尚お久しきこと能わず、而るを況んや人に於いてをや。
- ウィキソース「老子河上公章句/上」参照。
- 希言 … 無言。
- 飄風 … つむじ風。
- 驟雨 … にわか雨。
故從事於道者、道者同於道、德者同於德、失者同於失。
故に道に従事する者は、道は道に同じくし、徳は徳に同じくし、失は失に同じくす。
同於道者、道亦樂得之。同於德者、德亦樂得之。同於失者、失亦樂得之。
道に同じくするとは、道も亦た之を得るを楽しむ。徳に同じくするとは、徳も亦た之を得るを楽しむ。失に同じくするとは、失も亦た之を得るを楽しむ。
- 失亦樂得之 … 底本では「失亦樂失之」に作るが、道蔵所収河上公本・道蔵所収王弼本等に従い改めた。
信不足焉、有不信焉。
信足らざれば、信ぜられざる有り。