老子:道経:帰根第十六
歸根第十六
致虚極、守靜篤。萬物並作、吾以觀其復。夫物芸芸、各復歸其根。
虚を致すこと極まり、静を守ること篤し。万物並び作るも、吾は以て其の復るを観る。夫れ物の芸芸たるも、各〻其の根に復帰す。
- ウィキソース「老子河上公章句/上」参照。
歸根曰靜、是謂復命。復命曰常、知常曰明。不知常、妄作凶。
根に帰るを静と曰い、是を命に復ると謂う。命に復るを常と曰い、常を知るを明と曰う。常を知らざれば、妄りに作して凶なり。
- 妄 … 底本では「萎」に作るが、道蔵所収河上公本・道蔵所収王弼本等に従い改めた。
知常容、容乃公、公乃王、王乃天、天乃道、道乃久。沒身不殆。
常を知れば容、容なれば乃ち公、公なれば乃ち王、王なれば乃ち天、天なれば乃ち道、道なれば乃ち久し。身を没するまで殆うからず。