六韜:陰符第二十四
武王問太公曰、引兵深入諸侯之地、三軍卒有緩急、或利或害、吾將以近通遠、從中應外、以給三軍之用。爲之奈何。
武王、太公に問うて曰く、兵を引きて深く諸侯の地に入り、三軍卒かに緩急有りて、或いは利あり、或いは害あるに、吾、将に近きを以て遠きに通じ、中より外に応じ、以て三軍の用に給せんとす。之を為すこと奈何。
- ウィキソース「六韜」参照。
太公曰、主與將有陰符、凡八等。有大勝克敵之符、長一尺。破軍殺將之符、長九寸。降城得邑之符、長八寸。却敵報遠之符、長七寸。警衆堅守之符、長六寸。請糧益兵之符、長五寸。敗軍亡將之符、長四寸。失利亡士之符、長三寸。
太公曰く、主と将と陰符有り、凡そ八等。大いに敵に勝克するの符有り、長さ一尺。軍を破り将を殺すの符は、長さ九寸。城を降し邑を得るの符は、長さ八寸。敵を却け遠きに報ずるの符は、長さ七寸。衆を警め守りを堅くするの符は、長さ六寸。糧を請い兵を益すの符は、長さ五寸。軍を敗り将を亡うの符は、長さ四寸。利を失い士を亡うの符は、長さ三寸。
- 殺將 … 底本では「擒將」に作るが、『直解』に従い改めた。
諸奉使行符稽留者、若符事泄、聞者告者、皆誅之。八符者、主將秘聞、所以陰通言語不泄
諸〻の使いを奉じ符を行いて稽留する者、若しくは符の事泄るるは、聞く者と告ぐる者とは、皆之を誅す。八符は、主と将と聞くことを秘し、陰かに言語を通じて泄さず、中外相知る所以の術なり。敵、聖智と雖も、之を能く識る莫し。
- 稽留者 … 底本に「者」の字はないが、『直解』に従い補った。
- 泄、聞者 … 底本では「聞泄」に作るが、『直解』に従い改めた。
武王曰、善哉。
武王曰く、善いかな。
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