六韜:将威第二十二
武王問太公曰、將何以爲威、何以爲明、何以爲禁止、而令行。
武王、太公に問うて曰く、将は何を以て威と為し、何を以て明と為し、何を以て禁止と為して、令行われん。
- ウィキソース「六韜」参照。
太公曰、將以誅大爲威、以賞小爲明、以罰審爲禁止、而令行。
太公曰く、将は大を誅するを以て威と為し、小を賞するを以て明と為し、罰の審らかなるを以て禁止と為して、令行わる。
故殺一人而三軍震者殺之、賞一人而萬人説者賞之。
故に一人を殺して三軍震う者は之を殺し、一人を賞して万人説ぶ者は之を賞す。
殺貴大、賞貴小。殺其當路貴重之人、是刑上極也。賞及牛竪、馬洗、廐養之徒、是賞下通也。刑上極、賞下通、是將威之所行也。
殺すは大を貴び、賞するは小を貴ぶ。其の当路貴重の人を殺すは、是れ刑、上に極まるなり。賞、牛竪、馬洗、廐養の徒に及ぶは、是れ賞、下に通ずるなり。刑、上に極まり、賞、下に通ずるは、是れ将の威の行なわるる所なり。
- 殺其當路 … 底本では「殺及當路」に作るが、『直解』に従い改めた。
- 貴重之人 … 底本では「貴重之臣」に作るが、『直解』に従い改めた。
| 巻一 文韜 | |
| 文師第一 | 盈虚第二 |
| 国務第三 | 大礼第四 |
| 明伝第五 | 六守第六 |
| 守土第七 | 守国第八 |
| 上賢第九 | 挙賢第十 |
| 賞罰第十一 | 兵道第十二 |
| 巻二 武韜 | |
| 発啓第十三 | 文啓第十四 |
| 文伐第十五 | 順啓第十六 |
| 三疑第十七 | |
| 巻三 竜韜 | |
| 王翼第十八 | 論将第十九 |
| 選将第二十 | 立将第二十一 |
| 将威第二十二 | 励軍第二十三 |
| 陰符第二十四 | 陰書第二十五 |
| 軍勢第二十六 | 奇兵第二十七 |
| 五音第二十八 | 兵徴第二十九 |
| 農器第三十 | |
| 巻四 虎韜 | |
| 軍用第三十一 | 三陣第三十二 |
| 疾戦第三十三 | 必出第三十四 |
| 軍略第三十五 | 臨境第三十六 |
| 動静第三十七 | 金鼓第三十八 |
| 絶道第三十九 | 略地第四十 |
| 火戦第四十一 | 塁虚第四十二 |
| 巻五 豹韜 | |
| 林戦第四十三 | 突戦第四十四 |
| 敵強第四十五 | 敵武第四十六 |
| 烏雲山兵第四十七 | 烏雲沢兵第四十八 |
| 少衆第四十九 | 分険第五十 |
| 巻六 犬韜 | |
| 分合第五十一 | 武鋒第五十二 |
| 練士第五十三 | 教戦第五十四 |
| 均兵第五十五 | 武車士第五十六 |
| 武騎士第五十七 | 戦車第五十八 |
| 戦騎第五十九 | 戦歩第六十 |