老子:道経:体道第一
體道第一
道可道、非常道。名可名、非常名。
道の道とす可きは、常の道に非ず。名の名とす可きは、常の名に非ず。
- ウィキソース「老子河上公章句/上」参照。
- 道 … 宇宙万物の根源としての存在。
- 可道 … 道としての働きをする。ここでの道は、儒家でいう道徳的な道。
- 常道 … 永遠不変な道。
- 名 … 名前。
- 常名 … 永遠不変な名。
無名天地之始、有名萬物之母。故常無欲以觀其妙、常有欲以觀其徼。
名無きは天地の始めにして、名有るは万物の母なり。故に常に無は以て其の妙を観んと欲し、常に有は以て其の徼を観んと欲す。
- 妙 … 不思議な働き。
- 徼 … こまかに微妙なこと。
此兩者同出而異名。同謂之玄。玄之又玄、衆妙之門。
此の両者は同じきより出でて名を異にす。同じく之を玄と謂う。玄の又玄は、衆妙の門なり。
- 玄 … 幽遠なさま。
- 玄之又玄 … 幽遠なものの、そのさらに幽遠なところ。
- 衆妙 … 宇宙のあらゆる現象を生み出す微妙な根源。