将（しょう）軍（ぐん）、命（めい）を受（う）くるは、君（きみ）必（かなら）ず先（ま）ず廟（びょう）に謀（はか）り、令（れい）を廷（てい）に行（おこな）う。君（きみ）身（み）ずから斧（ふ）鉞（えつ）を以（もっ）て将（しょう）に授（さず）けて曰（いわ）く、左（さ）右（ゆう）中（ちゅう）軍（ぐん）、皆（みな）分職（ぶんしょく）有（あ）り。若（も）し分（ぶん）を踰（こ）えて上（じょう）請（せい）する者（もの）は死（ころ）すべし。軍（ぐん）に二（に）令（れい）無（な）し。二（に）令（れい）する者（もの）は誅（ちゅう）すべし。令（れい）を留（とど）むる者（もの）は誅（ちゅう）すべし。令（れい）を失（うしな）う者（もの）は誅（ちゅう）すべし、と。

将（しょう）軍（ぐん）告（つ）げて曰（いわ）く、国門（こくもん）の外（ほか）に出（い）づるに、日（にっ）中（ちゅう）を期（き）し、営（えい）表（ひょう）を設（もう）けて轅門（えんもん）に置（お）き、之（これ）を期（き）するに如（も）し時（とき）に過（す）ぐれば、則（すなわ）ち法（ほう）に坐（ざ）さん、と。

将（しょう）軍（ぐん）、営（えい）に入（い）れば、即（すなわ）ち門（もん）を閉（と）じ道（みち）を清（きよ）む。敢（あ）えて行（ゆ）く有（あ）る者（もの）は誅（ちゅう）し、敢（あ）えて高言（こうげん）する有（あ）る者（もの）は誅（ちゅう）し、敢（あ）えて令（れい）に従（したが）わざる有（あ）る者（もの）は誅（ちゅう）す。