尉繚子 経卒令第十七
經卒者、以經令分之、爲三分焉。左軍蒼旗、卒戴蒼羽。右軍白旗、卒戴白羽。中軍黄旗、卒戴黄羽。
経卒とは、経令を以て之を分ち、三分と為す。左軍は蒼旗にして、卒は蒼羽を戴く。右軍は白旗にして、卒は白羽を戴く。中軍は黄旗にして、卒は黄羽を戴く。
- ウィキソース「尉繚子 (四庫全書本)/卷4」参照。
卒有五章。前一行蒼章、次二行赤章、次三行黄章、次四行白章、次五行黒章。
卒に五章有り。前の一行は蒼章、次の二行は赤章、次の三行は黄章、次の四行は白章、次の五行は黒章なり。
次以經卒。亡章者有誅。前一五行置章於首、次二五行置章於項、次三五行置章於胸、次四五行置章於腹、次五五行置章於腰。
次ずるに経卒を以てす。章を亡う者は誅有り。前の一の五行は章を首に置き、次の二の五行は章を項に置き、次の三の五行は章を胸に置き、次の四の五行は章を腹に置き、次の五の五行は章を腰に置く。
- 胸 … 底本では「」に作るが、『直解』に従い改めた。
如此、卒無非其吏、吏無非其卒。見非而不詰、見亂而不禁、其罪如之。
此の如くなれば、卒、其の吏に非ざる無く、吏、其の卒に非ざる無し。非を見て詰らず、乱を見て禁ぜざれば、其の罪之の如し。
鼓行交闘、則前行進爲犯難、後行退爲辱衆。踰五行而進者有賞、踰五行而後者有誅。所以知進退先後、吏卒之功也。
鼓行して闘いを交えるに、則ち行に前だちて進むを、難を犯すと為し、行に後れて退くを、衆を辱しむと為す。五行を踰えて進む者は賞有り、五行を踰えて後るる者は誅有り。進退先後を知る所以は、吏卒の功なり。
- 後行退為辱衆 … 底本では「後行進為辱衆」に作るが、『直解』に従い改めた。
- 踰五行而進者有賞 … 底本では「踰五行而前者有賞」に作るが、『直解』に従い改めた。
故曰、鼓之前如雷霆、動如風雨、莫敢當其前、莫敢躡其後、言有經也。
故に曰く、之を鼓して前むこと雷霆の如く、動くこと風雨の如く、敢えて其の前に当る莫く、敢えて其の後ろを躡む莫きは、言うこころは経有ればなり。
天官第一 | 兵談第二 |
制談第三 | 戦威第四 |
攻権第五 | 守権第六 |
十二陵第七 | 武議第八 |
将理第九 | 原官第十 |
治本第十一 | 戦権第十二 |
重刑令第十三 | 伍制令第十四 |
分塞令第十五 | 束伍令第十六 |
経卒令第十七 | 勒卒令第十八 |
将令第十九 | 踵軍令第二十 |
兵教上第二十一 | 兵教下第二十二 |
兵令上第二十三 | 兵令下第二十四 |