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聚斂の臣有らんよりは、寧ろ盗臣有れ

しゅうれんしんらんよりは、むし盗臣とうしん
  • 出典:『大学』伝十章
  • 解釈:重税を厳しく取り立てる家臣がいるくらいなら、むしろ領主の財貨をこっそり盗んで私腹を肥やす家臣がいた方がましである。「聚斂」は、人民から厳しく重税を取り立てること。
  • 大学 … 儒教の経典けいてんの一つ。一巻。もとは『礼記』の中の一編であるが、宋代に朱子が本文を章句に分けて校訂し、自己の注釈を付して四書の一つとした。孔子の言葉を曾子が祖述したといわれる「けい」一章と、経についての曾子の注釈を曾子の門人が記録したといわれる「でん」十章からなる。ウィキペディア【大学 (書物)】参照。
孟獻子曰、畜馬乘、不察於雞豚。伐冰之家、不畜牛羊。百乘之家、不畜聚斂之臣。與其有聚斂之臣、寧有盜臣。此謂國不以利爲利、以義爲利也。
もうけんいわく、じょううものは、鶏豚けいとんさっせず。ばっぴょういえは、ぎゅうようわず。百乗ひゃくじょういえは、しゅうれんしんわず。しゅうれんしんらんよりは、むし盗臣とうしんれ、と。これくにもっさず、もっすとう。
  • 孟献子 … 魯の賢大夫、ちゅうそんべつのこと。
  • 畜馬乗 … 四頭の馬を飼う身分の者は。ここは大夫の身分を指す。「乗」は、乗り物一般を数える単位詞。馬四頭で一車を引いた。「畜」は、飼う。
  • 不察於鶏豚 … 小さな利益を当てにして鶏や豚を飼育しようとは考えない。
  • 伐冰之家 … 葬儀や祖先の祭りのときに氷室から氷を切り出して使える家柄の者。卿・大夫以上の家柄を指す。
  • 不畜牛羊 … 牛や羊を飼育しない。
  • 百乗之家 … 戦車百台を出すくらいの領地を持っている卿・大夫の家。
  • 不畜聚斂之臣 … 領民から重税を厳しく取り立てる家臣を雇ったりしない。
  • 聚斂 … 厳しく重税を取り立てること。
  • 与其有聚斂之臣、寧有盗臣 … 重税を厳しく取り立てる家臣がいるくらいなら、むしろ領主の財物をこっそり盗む家臣がいた方がましだ。
  • 此謂 … これを~というのである。
  • 国不以利為利、以義為利 … 国にとって財物を得る利益を真の利益とはせず、道義を守ることを真の利益としている。
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