心ここに在らざれば、視れども見えず
心ここに在らざれば、視れども見えず
- 出典:『大学』伝七章(ウィキソース「四書章句集註/大學章句」参照)
- 解釈:心が上の空の状態では、じっと見ているようでも実際には何も見えていない。精神が集中していないと、何もできないこと。
- 大学 … 儒教の経典の一つ。一巻。もとは『礼記』の中の一編であるが、宋代に朱子が本文を章句に分けて校訂し、自己の注釈を付して四書の一つとした。孔子の言葉を曾子が祖述したといわれる「経」一章と、経についての曾子の注釈を曾子の門人が記録したといわれる「伝」十章からなる。ウィキペディア【大学 (書物)】参照。
心不在焉、視而不見、聽而不聞、食而不知其味。
心焉に在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食えども其の味を知らず。
- 心不在焉 … 心がここに存在しないと。心が正常に保たれていないと。他の事に心を奪われていて、眼前のことに集中できず、放心状態にあること。
- 焉 … 「ここに」と読み、「ここに」と訳す。
- 視而不見 … じっと見ても見えない。
- 聴而不聞 … じっと聴いても聞き分けられない。
- 食而不知其味 … 食べてもその味がわからない。
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