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閨門けいもん章第十九(古文のみ)

子曰、閨門之内、具禮矣乎。
いわく、閨門けいもんうちれいそなうるかな。
  • この章は、国家を治める根本は、家庭を治める中にあると説いている。
  • 今文にはこの章なし。
  • 閨門之内 … 家庭の中には。家庭内には。
  • 閨門 … 寝室の出入り口。転じて、部屋の中。家庭。
  • 具礼矣乎 … 何と国家を治める礼法が備わっていることよ。
  • 矣乎 … 「(なる)かな」と読み、「~だなあ」「~であることよ」と訳す。詠嘆・感嘆の意を示す。「矣」「矣夫」「矣哉」も同じ。
嚴親嚴兄。
おやたっとあにたっとぶ。
  • 厳親厳兄 … 親をうやまうように君主を敬い、兄を敬うように目上の人を敬う。
  • 厳 … ここでは「たっとぶ」と読み、「うやまう」と訳す。
妻子臣妾、繇百姓徒役也。
さいしんしょうひゃくせいえきのごときなり、と。
  • 妻子臣妾、繇百姓徒役也 … 妻と子どもは国家における人民のようなものであり、下男下女は国家の仕事に使役される人夫のようなものである。
  • 妻子 … 妻と子ども。
  • 臣妾 … 下男下女。「臣」は、男の召使。「妾」は、女の召使。
  • 繇 … 「なお~のごとし」と読み、「ちょうど~のようだ」と訳す。再読文字。「猶」に同じ。
  • 百姓 … 人民。
  • 徒役 … 国家の仕事に使役される人夫。
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