• 〔テキスト〕 『唐詩選』巻三、『全唐詩』巻二百十四、他
• 五言律詩。哀・開・廻・來（上平声灰韻）。
• ウィキソース「自薊北歸」参照。
• 薊北 … 居庸関（薊門関）の北方。
• 高適 … ？～765。盛唐の詩人。滄州渤海（山東省）の人。字（あざな）は達夫または仲武。天宝八載（749）、有道科に推挙され、受験して及第。封丘（河南省封丘県）の尉に任ぜられたが辞任し、辺塞を遊歴した。晩年は刑部侍郎、左散騎常侍に至った。辺塞詩人として岑参とともに「高岑」と並び称される。『高常侍集』八巻がある。ウィキペディア【高適】参照。

馬（うま）を駆（か）る　薊門（けいもん）の北（きた）

北風（ほくふう）　辺（へん）馬（ば）哀（かな）しむ

蒼茫（そうぼう）たり遠山（えんざん）の口（くち）

豁達（かったつ）として胡（こ）天（てん）開（ひら）く

五（ご）将（しょう）　已（すで）に深（ふか）く入（い）り

前軍（ぜんぐん）　止（た）だ　半（なか）ば廻（かえ）る

誰（たれ）か憐（あわ）れまん　意（い）を得（え）ずして

長（ちょう）剣（けん）　独（ひと）り帰（かえ）り来（きた）るを