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羊頭を懸けて狗肉を売る

羊頭(ようとう)を懸(か)けて狗(く)肉(にく)を売(う)る
  • 出典:『無門関』第六則(ウィキソース「無門關」参照)
  • 解釈:羊の頭を看板に掲げて、犬の肉を売る。見せかけが立派でも実質が伴わないこと。見かけ倒し。「狗」は、犬の意。「羊頭狗肉」「羊頭を掲(かか)げて狗肉を売る」とも。「牛首を懸けて馬肉を売る」とほぼ同じ。
  • 無門関 … 宋代の禅書。一巻。無門慧開(1183~1260)著。1228年成立。禅宗の古則公案四十八則を選び、これに頌(じゅ)と評唱を加えたもの。ウィキペディア【無門関】参照。
無門曰、黄面瞿曇、傍若無人。壓良爲賤、懸羊頭賣狗肉。將謂、多少奇特。只如當時大衆都笑、正法眼藏、作麼生傳。設使迦葉不笑、正法眼藏又作麼生傳。若道正法眼藏有傳授、黄面老子、誑謼閭閻。若道無傳授、爲甚麼獨許迦葉。
無(む)門(もん)曰(いわ)く、黄面(おうめん)の瞿(く)曇(どん)、傍(ぼう)若(じゃく)無(ぶ)人(じん)。良(りょう)を圧(あっ)して賤(せん)と為(な)し、羊頭(ようとう)を懸(か)けて狗(く)肉(にく)を売(う)る。将(まさ)に謂(おも)えり、多(た)少(しょう)の奇(き)特(どく)と。只(た)だ当時(そのとき)大衆(だいしゅ)都(すべ)て笑(わら)うが如(ごと)きんば、正(しょう)法(ぼう)眼蔵(げんぞう)、作麼(そも)生(さん)か伝(つた)えん。設(も)し迦(か)葉(しょう)笑(わら)わずんば、正(しょう)法(ぼう)眼蔵(げんぞう)又(また)作麼(そも)生(さん)か伝(つた)えん。若(も)し正(しょう)法(ぼう)眼蔵(げんぞう)に伝授(でんじゅ)有(あ)りと道(い)わば、黄面(おうめん)の老(ろう)子(し)、閭閻(りょえん)を誑(おう)謼(こ)す。若(も)し伝授(でんじゅ)無(な)しと道(い)わば、甚麼(なん)としてか独(ひと)り迦(か)葉(しょう)を許(ゆる)す。
  • 無門 … 無門慧開(1183~1260)。
  • 黄面 … 黄金の顔色。
  • 瞿曇 … 釈迦のこと。梵語Gautamaの音訳。
  • 良 … 良民。
  • 賤 … 奴隷。
  • 多少 … 夥しい。
  • 設使 … 仮定の接続詞。二字で「もし」と訓読する。従来は「設(も)し~をして~せしむれば」と誤って訓読してきた。
  • 迦葉 … 摩訶迦葉。釈尊の十大弟子の一人。
  • 老子 … ここでは「老人」の意。すなわち釈尊を指す。
  • 閭閻 … 村里の人々。
  • 誑謼 … たぶらかす。
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