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深謀遠慮

深謀しんぼう遠慮えんりょ
  • 出典:賈誼「過秦論」(『新書』巻一、『史記』秦始皇本紀、『文選』巻五十一、ウィキソース「過秦論」参照)
  • 解釈:よく考えて計画し、将来のことも十分に考えておくこと。また、その考え。深慮遠謀。
  • 賈誼 … 前200~前168。前漢の学者。洛陽(河南省)の人。賈生・賈長沙とも呼ばれる。若くして博士となり文帝に重用されたが、重臣らにうとまれ、長沙王の太傅に左遷された。著に『新書』『賈長沙集』がある。ウィキペディア【賈誼】参照。
陳渉之位、非尊於齊楚燕趙韓魏宋衞中山之君也。
ちんしょうくらいは、せいえんちょうかんそうえいちゅうざんきみよりたっときにあらざるなり。
  • 陳渉 … 陳勝。?~前208。農民反乱の指導者。陽城(河南省方城県)の人。あざなは渉。秦に対し反乱を起こし、秦を滅亡させるきっかけとなった。ウィキペディア【陳勝】参照。
  • 中山 … 戦国時代の国名。中山国。ウィキペディア【中山国】参照。
  • 君 … 君主。
鋤耰棘矜、非銛於鉤戟長鎩也。謫戍之衆、非抗於九國之師也。
鋤耰じょゆうきょくきんは、鉤戟こうげきちょうさいよりするどきにあらざるなり。謫戍たくじゅしゅうは、きゅうこくこうするにあらざるなり。
  • 鋤耰 … 鋤は、すき。耰は、土ならしをする農具。
  • 棘矜 … いばらの木で作ったほこの柄。
  • 鉤戟 … 先の曲がっているほこ。鎌槍。
  • 長鎩 … 長いほこ
  • 銛 … 鋭い。
  • 謫戍之衆 … 罪を得て辺境の守備要員にさせられた兵士たち。陳渉の軍を指す。
  • 九国 … 春秋戦国時代における九つの国。斉・楚・燕・趙・韓・魏・宋・衛・中山。
  • 師 … 軍。師団。
  • 抗 … 対抗する。
深謀遠慮、行軍用兵之道、非及曩時之士也。然而成敗異變、功業相反。
深謀しんぼう遠慮えんりょ行軍こうぐん用兵ようへいみちは、どうおよぶにあらざるなり。しかれども成敗せいはいへんことにし、こうぎょうあいはんせり。
  • 行軍用兵 … 軍隊を進め、兵を用いる。
  • 曩時 … さきごろ。昔の。
  • 士 … 諸国に遊説した人。
  • 成敗 … 成功と失敗。ここでは陳勝が成功し、諸侯国が失敗したことを指す。
  • 異変 … 相違がある。
  • 功業 … 行なった事業。
  • 相反 … 結果が予想と反対になった。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句