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涸沢の蛇

涸(こ)沢(たく)の蛇(へび)
  • 出典:『韓非子』説林(ぜいりん)上(ウィキソース「韓非子/說林上」参照)
  • 解釈:うまく相手を利用して、ともに利益を得ること。「涸沢」は、水の涸(か)れた沢のこと。
  • 韓非子 … 二十巻五十五篇。戦国時代末期の思想家で、厳格な法治主義を唱え、信賞必罰を行うことを主張した韓(かん)非(ぴ)(?~前233)の著作を中心に、のちの法家一派の論を加えたもの。法による富国強兵と君主権の確立が説かれている。ウィキペディア【韓非子】参照。
鴟夷子皮事田成子。田成子去齊、走而之燕。鴟夷子皮負傳而從、至望邑。
鴟夷子皮(しいしひ)、田成(でんせい)子(し)に事(つか)う。田成(でんせい)子(し)斉(せい)を去(さ)り、走(はし)りて燕(えん)に之(ゆ)く。鴟夷子皮(しいしひ)伝(でん)を負(お)いて従(したが)い、望邑(ぼうゆう)に至(いた)る。
  • 鴟夷子皮 … 越王勾践に仕えた功臣、范蠡の別名であるが、ここでは范蠡とは別人であるといわれている。
  • 田成子 … 斉の豪族。
  • 伝 … 通行手形。
  • 望邑 … 望という町。邑は地方の町や村のこと。
子皮曰、子獨不聞涸澤之蛇乎。涸澤蛇將徙。有小蛇、謂大蛇曰、子行而我隨之、人以爲、蛇之行者耳。必有殺子。不如相銜負我以行。人必以我為神君也。乃相銜負以越公道。人皆避之曰、神君也。
子皮(しひ)曰(いわ)く、子(し)独(ひと)り涸(こ)沢(たく)の蛇(へび)を聞(き)かずや。涸(こ)沢(たく)の蛇(へび)将(まさ)に徙(うつ)らんとす。小(しょう)蛇(じゃ)有(あ)り、大蛇(だいじゃ)に謂(い)いて曰(いわ)く、子(し)行(ゆ)きて我(われ)之(これ)に随(したが)わば、人(ひと)以為(おも)えらく、蛇(へび)の行(ゆ)く者(もの)のみ、と。必(かなら)ず子(し)を殺(ころ)すこと有(あ)らん。相(あい)銜(ふく)みて我(われ)を負(お)いて以(もっ)て行(ゆ)くに如(し)かず。人(ひと)必(かなら)ず我(われ)を以(もっ)て神君(しんくん)と為(な)さん、と。乃(すなわ)ち相(あい)銜(がん)負(ふ)して以(もっ)て公道(こうどう)を越(こ)ゆ。人(ひと)皆(みな)之(これ)を避(さ)けて曰(いわ)く、神君(しんくん)なり、と。
  • 涸沢 … 水の涸れた沢。
今子美而我惡。以子爲我上客、千乘之君也。以子爲我使者、萬乘之卿也。子不如爲我舍人。田成子因負傳而隨之、至逆旅。逆旅之君、待之甚敬、因獻酒肉。
今(いま)、子(し)は美(び)にして我(われ)は悪(みにく)し。子(し)を以(もっ)て我(わ)が上(じょう)客(かく)と為(な)さば、千(せん)乗(じょう)の君(きみ)なり。子(し)を以(もっ)て我(わ)が使(し)者(しゃ)と為(な)さば、万乗(ばんじょう)の卿(けい)なり。子(し)、我(わ)が舎人(しゃじん)と為(な)るに如(し)かず、と。田成(でんせい)子(し)因(よ)りて伝(でん)を負(お)いて之(これ)に随(したが)い、逆旅(げきりょ)に至(いた)る。逆旅(げきりょ)の君(きみ)、之(これ)を待(ま)つこと甚(はなは)だ敬(うやま)い、因(よ)りて酒肉(しゅにく)を献(けん)ず。
  • 舎人 … 家来。
  • 逆旅 … 宿屋。
  • 逆旅之君 … 旅館の主人。
論語名句辞典
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