生まれながらにして貴き者無し
生まれながらにして貴き者無し
- 出典:『童子教』(国立国会図書館デジタルコレクション「実語教童子教」参照)
- 解釈:人間は生まれながらに貴い者はいない。一所懸命努力して知識を身につけ、人格をみがくのである。どんなにお金持ちでも欲深ければ貧しい人であり、貧乏でも心が満ち足りていれば、豊かな人である。
- 童子教 … 児童教訓書。一巻。鎌倉末期から明治初期まで用いられた。作者未詳。鎌倉時代の作と推定される。五言三百三十句からなる。ウィキペディア【童子教】参照。
生而無貴者。習修成智德。
生れながらにして貴き者無し。習い修めて智徳を成す。
- 智徳 … 知識と道徳。知恵と徳行。学識と人格。
貴者必不冨。冨者未必貴。
貴き者は必ず富まず。富む者は未だ必ず貴からず。
雖冨心多欲、是名爲貧人。
富むと雖も心に欲多ければ、是れ名づけて貧人と為す。
雖貧心欲足、是名爲富人。
貧しと雖も心に足るを欲すれば、是れ名づけて富人と為す。
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