王侯将相寧んぞ種有らんや
王侯将相寧んぞ種有らんや
- 出典:『史記』陳渉世家
- 解釈:王と諸侯・将軍・大臣となるのは血すじによらず、誰でも実力次第でなれる。
- 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀12巻、表10巻、書8巻、世家30巻、列伝70巻の全130巻。ウィキペディア【史記】参照。
呉廣素愛人。士卒多爲用者。將尉醉。廣故數言欲亡、忿恚尉、令辱之、以激怒其衆。尉果笞廣。尉劍挺。廣起奪而殺尉。陳勝佐之、并殺兩尉。
呉広素より人を愛す。士卒、用を為さんとする者多し。将尉酔う。広、故らに数亡げんと欲すと言い、尉を忿恚せしめ、之を辱めしめ、以て其の衆を激怒せしめんとす。尉果たして広を笞つ。尉の剣挺く。広起ちて奪いて尉を殺す。陳勝之を佐け、并せて両尉を殺す。
- 呉広 … 秦末の農民。陳勝とともに秦に対する反乱(陳勝・呉広の乱)を起した。
- 忿恚 … 怒り憤らせること。
- 陳勝 … 農民反乱の指導者。字は渉。呉広とともに秦に対する反乱を起こした。
召令徒屬曰、公等遇雨、皆已失期。失期當斬。藉第令毋斬、而戍死者、固十六七。且壯士不死即已。死即舉大名耳。王侯將相寧有種乎。徒屬皆曰、敬受命。
召して徒属に令して曰く、公等雨に遇い、皆已に期を失えり。期を失うは斬に当たる。藉い第だ斬らるること毋からしむとも、戍の死する者は、固に十に六七なり。且つ壮士死せずんば即ち已まん。死せば即ち大名を挙げんのみ。王侯将相寧んぞ種有らんや、と。徒属皆曰く、敬みて命を受けん、と。
- 徒属 … 仲間。
- 戍 … 辺境守備。
- 将相 … 大将と大臣。
- 種 … 血筋。
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