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屋下に屋を架す

おくおく
  • 出典:『世説新語』文学(ウィキソース「世說新語/文學」参照)、『顔氏家訓』序致(ウィキソース「顏氏家訓/卷第1」参照)
  • 解釈:屋根の下にさらに屋根をつける。無駄なことを重ねてすることの喩え。屋上屋を架す。
  • 世説新語 … 三巻。南北朝時代、宋のりゅうけい(403~444)の編。後漢末から東晋末にいたる知識人の逸話を収録したもの。ウィキペディア【世説新語】参照。
  • 顔氏家訓 … 七巻二十篇。北斉の顔之推(531~590頃)の著。子孫への戒めとして記した家訓書。乱世を生き抜いた著者の豊かな人生経験に基づいて述べられている。ウィキペディア【顔氏家訓】参照。
〔世説新語、文学〕
庾仲初作揚都賦成、以呈庾亮。亮以親族之懷、大爲其名價云、可三二京、四三都。於此人人競寫、都下紙爲之貴。謝太傅云、不得爾。此是屋下架屋耳。事事擬學、而不免儉狹。
ちゅうしょようつくりてり、もっりょうていす。りょう親族しんぞくかいもって、おおいにめいしてう、けいさんとし、さんとすし、と。ここいて人人ひとびときそいてうつし、都下とかかみこれためたっとし。しゃたいう、しかるをず。これおくおくするのみ。事事じじがくしてけんきょうたるをまぬがれず、と。
  • 庾仲初 … せん。東晋の文人・官僚。生没年不詳。仲初はあざな潁川えいせんぐんえんりょうけん(河南省許昌市鄢陵県)の人。ウィキペディア【庾闡】参照。
  • 庾亮 … 289~340。東晋の政治家。あざなは元規。潁川郡鄢陵県(河南省許昌市鄢陵県)の人。ウィキペディア【庾亮】参照。
  • 二京 … 張衡の作った「二京賦」(西京賦・東京賦)を指す。
  • 三都 … 左思の作った「三都賦」(蜀都賦・呉都賦・魏都賦)を指す。
  • 都下紙為之貴 … 都の紙の値が高くなった。
  • 謝 … 謝安。320~385。東晋の政治家。あざなは安石。陳郡陽夏県(河南省周口市太康県)の人。ウィキペディア【謝安】参照。
  • 太傅 … 官名。天子の補佐役。三公(太師・太傅・太保)の一つ。ウィキペディア【太傅】参照。
  • 擬学 … 模倣する。
  • 倹狭 … 心が狭い。
〔顔氏家訓、序致〕
夫聖賢之書、教人誠孝、愼言檢迹、立身揚名、亦已備矣。魏、晉已來、所著諸子、理重事複、遞相模斅、猶屋下架屋、牀上施牀耳。
聖賢せいけんしょは、ひと誠孝せいこうなること、げんつつしあとけみすること、ぐることをおしえ、すでそなわれり。しんらいあらわところしょは、ことわりかさなりふくし、たがいにあいこうすること、おくおくし、牀上しょうじょうしょうほどこすがごときのみ。
  • 誠孝 … 誠の孝。
  • 諸子 … 多くの書物。
  • 模斅 … 模倣して教える。
  • 牀上 … ベッドの上。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句