屋下に屋を架す
屋下に屋を架す
- 出典:『世説新語』文学、『顔氏家訓』序致
- 解釈:屋根の下にさらに屋根をつける。無駄なことを重ねてすることのたとえ。屋上屋を架す。
〔世説新語、文学〕
庾仲初作揚都賦成、以呈庾亮。亮以親族之懷、大爲其名價云、可三二京、四三都。於此人人競寫、都下紙爲之貴。謝太傅云、不得爾。此是屋下架屋耳。事事擬學、而不免儉狹。
庾仲初作揚都賦成、以呈庾亮。亮以親族之懷、大爲其名價云、可三二京、四三都。於此人人競寫、都下紙爲之貴。謝太傅云、不得爾。此是屋下架屋耳。事事擬學、而不免儉狹。
庾仲初、揚都の賦を作りて成り、以て庾亮に呈す。亮、親族の懐を以て、大いに其の名価を為して云う、二京を三とし、三都を四とすべし、と。此に於いて人人競いて写し、都下の紙之が為に貴し。謝太傅云う、爾るを得ず。此は是れ屋下に屋を架するのみ。事事擬学して倹狭たるを免れず、と。
- 擬学 … 模倣する。
- 倹狭 … 心がせまい。
〔顔氏家訓、序致〕
夫聖賢之書、教人誠孝、愼言檢迹、立身揚名、亦已備矣。魏、晉已來、所著諸子、理重事複、遞相模斅、猶屋下架屋、牀上施牀耳。
夫聖賢之書、教人誠孝、愼言檢迹、立身揚名、亦已備矣。魏、晉已來、所著諸子、理重事複、遞相模斅、猶屋下架屋、牀上施牀耳。
夫れ聖賢の書は、人に誠孝なること、言を慎み迹を検すること、身を立て名を揚ぐることを教え、亦た已に備われり。魏・晋已来、著す所の諸子は、理重なり事複し、逓に相模斅すること、猶お屋下に屋を架し、牀上に牀を施すがごときのみ。
- 牀上 … ベッドの上。
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