刮目して相待つ
刮目して相待つ
- 出典:『十八史略』巻三・東漢・孝献皇帝(国立国会図書館デジタルコレクション「十八史畧 三」参照)、『三国志』呉書・呂蒙伝・注
- 解釈:目を見開いて相手をよく見ること。立派な人物は必ず進歩しているたとえ。「士別れて三日なれば、即ち当に刮目して相待つべし」とも。
- 十八史略 … 七巻。元の曾先之撰。『史記』から『新五代史』までの十七の正史に、宋代の史書を加えて十八史とし、その概要を編年体でまとめたもの。史料的価値はほとんどないが、我が国では初学者のための入門書として広く読まれており、特に江戸時代には『論語』『唐詩選』とともに、初学者の必読書とされた。ウィキペディア【十八史略】参照。
〔十八史略、東漢、孝献皇帝〕
權將呂蒙、初不學。
權將呂蒙、初不學。
権の将呂蒙、初め学ばず。
- 権 … 呉の孫権。
權勸蒙讀書。
権、蒙に勧めて書を読ましむ。
魯肅後與蒙論議。
魯粛、後に蒙と論議す。
- 魯粛 … 呉の建国の功臣。孫権に仕えた。
大驚曰、卿非復呉下阿蒙。
大いに驚いて曰く、卿は復た呉下の阿蒙に非ず。
- 卿 … 敬称。あなた。
- 呉下阿蒙 … 「呉の都下に住んでいた蒙ちゃん」くらいの意。学問のない者を「呉下の阿蒙」というようになったのは、この故事による。
蒙曰、士別三日、即當刮目相待。
蒙曰く、士別れて三日なれば、即ち当に刮目して相待つべし、と。
- 刮目 … 目を見開いてよく見ること。注意して見ること。
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