良薬は口に苦し
良薬は口に苦し
- 孔子家語 … 十巻。現存のものは魏の王粛(195~256)の偽作とされる。孔子および門人の言行に関する説話を『春秋左氏伝』『大戴礼』『礼記』『史記』などから集めたもの。ウィキペディア【孔子家語】参照。
- 韓非子 … 二十巻五十五篇。戦国時代末期の思想家で、厳格な法治主義を唱え、信賞必罰を行うことを主張した韓非(?~前233)の著作を中心に、のちの法家一派の論を加えたもの。法による富国強兵と君主権の確立が説かれている。ウィキペディア【韓非子】参照。
- 三国志 … 歴史書。六十五巻。晋の陳寿(233~297)著。魏・蜀・呉三国の歴史を記したもの。魏書三十巻、蜀書十五巻、呉書二十巻からなる。正史の一つ。この書をもとにした小説に『三国志演義』(羅貫中作)がある。ウィキペディア【三国志 (歴史書)】参照。
〔孔子家語、六本〕
孔子曰、良藥苦於口、而利於病。忠言逆於耳、而利於行。湯・武以諤諤而昌、桀・紂以唯唯而亡。
孔子曰、良藥苦於口、而利於病。忠言逆於耳、而利於行。湯・武以諤諤而昌、桀・紂以唯唯而亡。
孔子曰く、良薬は口に苦けれども、病に利あり。忠言は耳に逆らえども、行いに利あり。湯・武は諤諤を以て昌え、桀・紂は唯唯を以て亡びたり。
- 諤諤 … はばからず、ありのままをはっきりと言うさま。
- 唯唯 … 「はいはい」と何でも聞き入れ、人のいいなりになるさま。
〔韓非子、外儲説左上〕
夫良藥苦於口、而智者勸而飮之。知其入而能已疾也。忠言拂於耳、而明主聽之。知其可以致功也。
夫良藥苦於口、而智者勸而飮之。知其入而能已疾也。忠言拂於耳、而明主聽之。知其可以致功也。
夫れ良薬は口に苦けれども、智者は勧めて之を飲む。其の入りて能く疾を已すを知ればなり。忠言は耳に払らうも、明主は之を聴く。其の以て功を致す可きを知ればなり。
- 明主 … 明君。賢明な君主。
〔三国志、呉書、孫奮伝〕
夫良藥苦口、惟疾者能甘之。忠言逆耳、惟達者能受之。
夫良藥苦口、惟疾者能甘之。忠言逆耳、惟達者能受之。
夫れ良薬は口に苦けれども、惟だ疾者のみ能く之を甘しとす。忠言は耳に逆らえども、惟だ達者のみ能く之を受く。
- 疾者 … 病気の人。病人。
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