『論語名句辞典』を出版しました。見出し句は類書中最大の981項目あります(うち
空見出し222項目を含む)。意味・原文・書き下し文・語釈付き。巻末に人名一覧・見出し句索引も収録しました。
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管を以て天を窺う
- 出典:『史記』扁鵲伝(ウィキソース「史記/卷105」参照)、『荘子』秋水(ウィキソース「莊子/秋水」参照)
- 解釈:管の穴から天をのぞく。視野が狭いこと。管見。
- 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻の全百三十巻。ウィキペディア【史記】参照。
- 荘子 … 十巻三十三篇。戦国時代の思想書。内篇は荘周、外篇・雑篇は後学の著作と考えられている。成立年代不詳。『老子』の思想を継承し、道家思想を発展させたもので、内篇の中の逍遥遊・斉物論の二篇が最も重要である。『南華真経』とも。ウィキペディア【荘子 (書物)】参照。
〔史記、扁鵲伝〕
扁鵲仰天歎曰、夫子之爲方也、若以管窺天、以郄視文。
扁鵲、天を仰ぎて歎じて曰く、夫子の方たるや、管を以て天を窺い、郄を以て文を視るがごとし。
- 扁鵲 … 戦国時代、鄭の名医。ウィキペディア【扁鵲】参照。
- 郄 … 「隙」と同じ。すき間。
- 文 … 模様。
〔荘子、秋水〕
子乃規規然、而求之以察、索之以辯。是直用管闚天、用錐指地也。不亦小乎。
子は乃ち規規然として、之を求むるに察を以てし、之を索むるに弁を以てす。是れ直だ管を用いて天を闚い、錐を用いて地を指すなり。亦た小ならずや。
- 子 … あなた。
- 規規然 … こせこせしたさま。
- 察 … 推察。
- 弁 … 弁論。
- 用錐指地 … 錐で地を突きさしてその深さを測る。
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