墨守
墨守
- 出典:『墨子』公輸(ウィキソース「墨子/公輸」参照)
- 解釈:自分の説や態度を頑なに守ること。墨翟(墨子)がよく城を守った故事から出た言葉。「墨」は、墨子。工匠の公輸盤は楚王のために「雲梯の械」(城攻めに用いる大梯子)を発案し、宋を攻めようとした。非戦論者の墨子はそれを聞いて楚王の前で公輸盤と模擬戦を行った。墨子は自分の帯を解いて城の形をかたどり、牒(木札)を城楼や櫓に見立てた。公輸盤は新兵器の模型を用いて九回交戦したが、墨子はこれをことごとく破った。公輸盤の武器は尽きてしまったが、墨子の方は城の守りにまだ余裕があった、という故事に基づく。「墨翟の守り」とも。
- 墨子 … 十五巻。現存五十三篇。墨翟およびその学派の学説を著した書。兼愛・非攻・節用・非楽などの篇が有名。ウィキペディア【墨子】参照。
公輸般爲楚造雲梯之械成、將以攻宋。子墨子聞之、起於齊、行十日十夜而至於郢、見公輸般。
公輸盤、楚の為に雲梯の械を造りて成り、将に以て宋を攻めんとす。子墨子之を聞き、斉を起ち、行くこと十日十夜にして郢に至り、公輸盤を見る。
……子墨子解帶爲城、以牒爲械。公輸盤九設攻城之機變、子墨子九距之。公輸盤之攻械盡、子墨子之守圉有餘。
……子墨子、帯を解きて城と為し、牒を以て械と為す。公輸盤九たび城を攻むるの機変を設けしも、子墨子九たび之を距ぐ。公輸盤の攻械尽きて、子墨子の守圉余り有り。
- 牒 … 小さな木札。
- 械 … 城楼や櫓。
- 機変 … 臨機応変。
- 攻械 … 攻め道具。
- 守圉 … 防御。
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