遼東の豕
遼東の豕
- 出典:『後漢書』朱浮伝(ウィキソース「後漢書/卷33」参照)
- 解釈:世間知らずで、ひとりよがりのこと。昔、遼東(遼寧省南東部)の人が、生まれた白頭の豚を珍しいものだと思い、朝廷に献上しに河東(山西省)まで出かけたところ、河東の豚はみな白頭だったので恥じて帰ったということから。
- 後漢書 … 後漢の歴史を記した歴史書。百二十巻。宋の范曄(398~445)の著。二十四史の一つ。ウィキペディア【後漢書】参照。
往時遼東有豕、生子白頭。異而獻之。行至河東、見群豕皆白、懷慚而還。
往時、遼東に豕有り、子を生みて白頭なり。異しみて之を献ぜんとす。行きて河東に至り、群豕の皆白きを見て、慚を懐きて還る。
- 往時 … 過ぎ去った時。昔。
- 遼東 … 遼河の東。現在の遼寧省南東部。
- 豕 … 豚。
- 白頭 … 頭が白いこと。
- 異 … 普通とは違って奇妙なさま。
- 献 … 朝廷に献上する。
- 河東 … 黄河の東岸の地方。現在の山西省西南部をさす。
- 群豕 … 群がりいる豚。
- 慚 … 恥。
- 還 … 帰る。帰還する。
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