楚辞 九歌第二 (八)河伯
與女遊兮九河 衝風起兮横波
女と九河に遊べば、衝風起って波を横たう。
- ウィキソース「九歌」参照。
- 河伯 … 黄河の神。
- 女 … あなた。「汝」と同じ。河伯を指す。
- 九河 … 黄河。「九」は、黄河の九つの支流。
- 衝風 … つきあたるように激しく吹く風。はやて。
乗水車兮荷蓋 駕兩龍兮驂螭
水車に乗りて荷の蓋し、両竜を駕して螭を驂とす。
登崑崙兮四望 心飛揚兮浩蕩
崑崙に登って四もを望めば、心は飛揚して浩蕩たり。
日將暮兮悵忘歸 惟極浦兮寤懷
日将に暮れんとして悵として帰るを忘れ、極浦を惟いて寤めて懐う。
魚鱗屋兮龍堂 紫貝闕兮朱宮
魚鱗の屋と竜の堂と、紫貝の闕と朱宮と。
靈何爲兮水中 乗白黿兮逐文魚
霊何為れぞ水中なる。白黿に乗りて文魚を逐い、
與女遊兮河之渚 流澌紛兮將來下
女と河の渚に遊べば、流澌は紛として将に来り下らんとす。
子交手兮東行 送美人兮南浦
子と手を交えて東行し、美人を南浦に送れば、
波滔滔兮來迎 魚隣隣兮媵予
波は滔滔として来り迎え、魚は隣隣として予に媵う。
九歌第二 | |
(一)東皇太一 | (二)雲中君 |
(三)湘君 | (四)湘夫人 |
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(七)東君 | (八)河伯 |
(九)山鬼 | (十)国殤 |
(十一)礼魂 |
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