游子故郷を悲しむ
游子故郷を悲しむ
- 出典:『史記』高祖本紀(ウィキソース「史記/卷008」参照)
- 解釈:他郷にさすらう旅人はふるさとを思い出して悲しむ。
漢の十二年(前195)、高祖(劉邦、在位前202~前195)がすでに天下を掌中に収めた後、故郷の沛(現在の江蘇省沛県)に立ち寄ったとき、沛の長老たちに語って、「旅人は故郷を思い出して悲しむという。自分は今、関中(現在の陝西省西安市)に都しているが、万年の後にも自分の魂は沛の町を思慕することであろう」と言ったことばに基づく。
- 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻の全百三十巻。ウィキペディア【史記】参照。
高祖乃起舞、慷慨傷懷、泣數行下。謂沛父兄曰、游子悲故郷。吾雖都關中、萬歳後、吾魂魄猶樂思沛。
高祖乃ち起ちて舞い、慷慨傷懐して、泣数行下る。沛の父兄に謂いて曰く、游子故郷を悲しむ。吾関中に都すと雖も、万歳の後、吾が魂魄猶お沛を楽思せん、と。
- 慷慨傷懐 … 憤り嘆き、哀しみ傷むこと。
- 泣 … 涙。
- 数行 … 「すうこう」と読む。涙の二、三筋。涙がはらはら落ちるさまの形容。
- 游子 … 故郷を離れて他郷にある人。旅人。遊子に同じ。
- 万歳 … 非常に長い年月。万年。
- 魂魄 … たましい。霊魂。
- 楽思 … 楽しく思い慕うこと。

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