洛陽の紙価を高める
洛陽の紙価を高める
- 出典:『晋書』文苑伝・左思(ウィキソース「晉書/卷092」参照)
- 解釈:著書の評判がよくて、大いに売れること。「洛陽」は、西晋の都で、今の河南省洛陽市。「紙価」は、紙の値段。西晋の文人左思が十年の歳月を費やして「三都の賦」を作ったが、当初はあまり評判がよくなかった。のちに宰相の張華が絶賛したため、洛陽の人々がこれを聞いて先を争って書写した。そのため、洛陽の紙の値段が高くなったという故事による。「洛陽の紙価貴し」とも。
司空張華見而歎曰、班張之流也。使讀之者、盡而有餘、久而更新。於是豪貴之家、競相傳寫、洛陽爲之紙貴。
司空の張華、見て歎じて曰く、班・張の流なり。之を読む者をして、尽くして余り有り、久しくして更めて新たならしむ、と。是に於いて、豪貴の家、競いて相伝写し、洛陽、之が為に紙貴し。
- 司空 … 治水土木を司る宰相職。
- 張華 … 232~300。西晋の政治家・文人。字は茂先。范陽郡方城県(今の河北省廊坊市固安県)の人。著書に『博物志』などがある。ウィキペディア【張華】参照。
- 班張之流 … 班固の『二都賦』、張衡の『二京賦』を指す。
- 豪貴 … 勢力があり、身分・家柄などが高貴であること。
- 伝写 … 書物などを次々と写し取って伝えること。
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