蛍雪の功
蛍雪の功
- 出典:『蒙求』孫康映雪・車胤聚蛍(ウィキソース「蒙求集註 (四庫全書本)/卷上」参照)、『晋書』車胤伝
- 解釈:苦学して学問を修めた成果。蛍窓雪案とも。
- 蒙求 … 児童用の教科書。三巻。中唐の李瀚の著。746年成立。上古から南北朝時代までの著名人の伝記や逸事を、四字一句、二句で一対とし、八句ごとに韻を変え、合計五百六十九句を収める。ウィキペディア【蒙求】参照。
〔蒙求、孫康映雪 車胤聚螢〕
孫氏世録曰、康家貧無油。常映雪讀書。少小清介、交遊不雜。後至御史大夫。
孫氏世録曰、康家貧無油。常映雪讀書。少小清介、交遊不雜。後至御史大夫。
孫氏世録に曰く、康、家貧にして油無し。常に雪に映して書を読む。少小より清介にして、交遊雑ならず。後に御史大夫に至る。
- 康 … 東晋の学者、孫康。
- 少小 … 年少。
- 清介 … 清廉潔白で孤高。
- 御史大夫 … 御史の長官。
晉車胤字武子、南平人。恭勤不倦、博覽多通。家貧不常得油。夏月則練囊盛數十螢火、以照書、以夜繼日焉。
晋の車胤字は武子、南平の人なり。恭勤にして倦まず、博覧多通なり。家貧にして常には油を得ず。夏月には則ち練囊に数十の蛍火を盛り、以て書を照らし、夜を以て日に継ぐ。
- 車胤 … 東晋の学者。
- 南平 … 現在の湖北省公安県。
- 恭勤 … 真面目によく励むこと。
- 練囊 … ねり絹で作った袋。
桓温在荊州、辟爲從事。以辯識義理、深重之。稍遷征西長史、遂顯於朝廷。時武子與呉隱之、以寒素博學知名于世、又善於賞會。當時毎有盛坐、而武子不在、皆云、無車公不樂。終吏部尚書。
桓温、荊州に在り、辟して従事と為す。義理を弁識するを以て、深く之を重んず。稍く征西の長史に遷り、遂に朝廷に顕る。時に武子、呉隠之と寒素博学を以て名を世に知られ、又賞会に善し。当時盛坐有る毎に、武子在らざれば、皆云く、車公無ければ楽しまず、と。吏部尚書に終わる。
- 桓温 … 東晋の武将。字は元子。
- 辟 … 人を引き抜く。
- 長史 … 副官。
- 呉隠之 … 東晋の政治家。字は処黙。
- 寒素 … 清貧。
- 賞会 … 宴会の席。
- 盛坐 … 盛大な宴会。
- 吏部尚書 … 文官の人事を司る役所の長官。
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