>   故事成語   >   た行   >   知音

知音

いん
  • 出典:『りょ春秋しゅんじゅう』本味、『列子』湯問、『蒙求』118 伯牙絶絃
  • 解釈:よく理解しあった親友。
  • 呂氏春秋 … 26巻。秦のりょ不韋ふい(?~前235)の編。先秦の諸家の学説や説話などを集めた一種の百科全書。ウィキペディア【呂氏春秋】参照。
〔呂氏春秋、本味〕
伯牙鼓琴、鍾子期聽之。
はくことし、しょう子期しきこれく。
  • 伯牙 … 春秋時代の琴の名人。生没年不詳。ウィキペディア【伯牙】参照。
  • 琴 … 古琴。弦は7本。ウィキペディア【古琴】参照。
  • 鼓 … 弾く。演奏する。
  • 鍾子期 … 春秋時代の楚の人。伯牙の弾く琴の良き聴き手。ウィキペディア【鍾子期】参照。
方鼓琴、而志在太山。
ことするにたりては、こころざし太山たいざんり。
  • 方 … 「~にあたりて」と読み、「~するときに」と訳す。
  • 志 … ここでは、「心」「心が向かうところ」の意。
  • 太山 … 泰山。五岳の一つ。今の山東省西部にある。ウィキペディア【泰山】参照。
鍾子期曰、善哉乎、鼓琴。
しょう子期しきわく、きかな、ことすること。
  • 善哉乎 … 素晴らしいなあ。
  • 哉乎 … 二字で「かな」と読み、「~だなあ」と訳す。感嘆の意を示す。
巍巍乎若太山。
巍巍ぎぎとして太山たいざんのごとし、と。
  • 巍巍乎 … 山が高く険しいさま。「乎」は語調を整えるための助字。
  • 若 … 「~のごとし」と読み、「~のようだ」と訳す。比況を表す。
少選之間、而志在流水。
しょうせんかんにして、こころざしりゅうすいり。
  • 少選之間 … しばらくの間。
鍾子期又曰、善哉乎、鼓琴。
しょう子期しきまたわく、きかな、ことすること。
湯湯乎若流水。
湯湯しょうしょうとしてりゅうすいのごとし、と。
  • 湯湯乎 … 水が勢いよく流れるさま。「乎」は語調をととのえるための助字。
鍾子期死。
しょう子期しきす。
伯牙破琴絶弦、終身不復鼓琴。
はくことやぶげんち、しゅうしんことせず。
  • 破琴絶弦 … 琴を壊して弦を断ち切る。
  • 終身 … 一生涯。死ぬまで。
  • 不復 … 「また~ず」と読み、「二度とは~ない」と訳す。部分否定。ちなみに、「復不」は「また~ず」と読み、「今度もまた~しない」と訳す。全部否定。
以爲世無足復爲鼓琴者。
以為おもえらく、ためことするにものし、と。
  • 以為 … 「おもえらく~と」と読み、「思うことには」「~と思う」と訳す。
  • 世 … 世の中に。
  • 為 … その人のために。
  • 足 … ~するにふさわしい。~するに値する。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ