秋高く馬肥ゆ
秋高く馬肥ゆ
- 出典:『漢書』趙充国伝(ウィキソース「漢書/卷069」参照)、杜審言「蘇味道に贈る」(ウィキソース「唐詩品彙 (四庫全書本)/卷72」参照)
- 解釈:秋は空が澄みわたって高く見え、馬は肥えて逞しくなる。秋の好時節のこと。
- 補説:「天高く馬肥ゆ」が一般的な言い方となっているが、本来は「秋高く馬肥ゆ」であり、「辺境の異民族が攻めてくる時期になったから、防戦の準備をおこたってはならぬ、といういましめの言葉」である。(『中国の故事と名言500選』平凡社)。
〔漢書、趙充国伝〕
到秋馬肥、變必起矣。
到秋馬肥、變必起矣。
秋に到れば馬肥ゆ、変必ず起らん。
- 変 … 事変。
〔杜審言、贈蘇味道〕
雲淨妖星落 秋高塞馬肥
雲淨妖星落 秋高塞馬肥
雲浄くして妖星落ち 秋高くして塞馬肥ゆ
- 蘇味道 … 648?~705?。初唐の詩人。趙州欒城(河北省)の人。李嶠とともに「蘇李」といわれた。また、李嶠・崔融・杜審言とともに「文章の四友」と呼ばれた。ウィキペディア【蘇味道】参照。
- 妖星 … 不吉なことの起こる前兆と考えられていた、不気味な星。
- 塞馬 … 北辺の馬。胡馬。
據鞍雄劍動 搖筆羽書飛
鞍に拠れば雄剣動き 筆を揺がせば羽書飛ぶ
- 雄剣 … 名剣。
- 羽書 … 急を告げる意味で、鳥の羽をはさんである檄文。羽檄。
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