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贈盧五旧居(李頎)

贈盧五舊居
盧五ろご旧居きゅうきょおく
  • 七言律詩。期・悲・時・鴟・誰(平声支韻)。
  • 贈盧五旧居 … 『全唐詩』では「題盧五旧居」(盧五ろご旧居きゅうきょだいす)に作る。
  • 盧五 … 「寄盧司勲員外」の盧司勲員外のことかと思われる。五は排行。
  • 旧居 … ここでは盧某が生前住んでいた家を指す。
  • 李頎 … 690~751?。盛唐の詩人。本籍は趙州ちょうしゅう(河北省趙県)の人。開元二十三年(735)、進士に及第。新郷(河南省)の尉となったが、官を辞し、神仙を慕って隠棲生活を送ったという。ウィキペディア【李頎】参照。
物在人亡無見期
ものれどもひとくして見期けんき
  • 物 … 器物。
  • 見期 … 会う機会。
閒庭繫馬不勝悲
間庭かんていうまつないでかなしみにえず
  • 間庭 … 静かな庭。
窗前綠竹生空地
窓前そうぜん緑竹りょくちく 空地くうちしょう
  • 空地 … 踏む人もない空地あきち
門外靑山似舊時
門外もんがい青山せいざん きゅうたり
  • 似 … 『全唐詩』では「如」に作る。
  • 旧時 … むかし。在りし日。
悵望秋天鳴墜葉
悵望ちょうぼうすればしゅうてん 墜葉ついよう
  • 悵望 … 悲しみ嘆きつつ眺める。
  • 秋天 … 秋の空。
  • 墜葉 … 落葉。
巑岏枯柳宿寒鴟
巑岏さんがんたる枯柳こりゅう 寒鴟かんし宿やど
  • 巑岏 … 高くごつごつした山。ここでは柳の枯木の高く立っている形容。
  • 寒鴟 … こごえそうな姿をしたふくろう。
憶君淚落東流水
きみおもうてなみだつ とうりゅうみず
  • 東流水 … 東へ流れ去る水。死者が再び帰ってこないことを喩えている。
歲歲花開知為誰
歳歳さいさいはなひらくも んぬため
  • 歳歳 … 来る年ごと。劉廷芝の「白頭を悲しむ翁に代る」に「年年ねんねん歳歳さいさいはなあいたり、歳歳さいさい年年ねんねんひとおなじからず」(年年歳歳花相似、歳歳年年人不同)とある。ウィキソース「代悲白頭吟」参照。
  • 知 … 「知んぬ」と読み、「いったい~かしら」の意味となる。
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