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寄綦毋三(李頎)

寄綦毋三綦毋きぶさんす)
     
  • 七言律詩。陽・香・堂・郎(平声陽韻)。
  • 綦毋三 … 綦毋きぶせんのこと。三は排行。「宿竜興寺」の詩がある。ウィキペディア【キ毋潜】参照。
  • 李頎 … 690~751?。盛唐の詩人。東川(今の雲南省会沢)の人。ウィキペディア【李キ】参照。
新加大邑綬仍黄
あらたに大邑たいゆうくわえられてじゅなり
  • 新加大邑 … 新たに大きな県の職務を兼任した。「大邑」は大きな町。ここでは洛陽を指す。
  • 綬 … 官職を示す印を腰に下げる組みひも。地位によって色が違った。
  • 仍 … やはり。
  • 黄 … 県尉は下級職で黄色であった。
近與單車向洛陽
ちかごろ単車たんしゃとも洛陽らくようむか
  • 単車 … 一台の車。地位が低く、清廉な官吏であったことを示している。
  • 向 … 『全唐詩』では「去」に作る。
顧眄一過丞相府
顧眄こべんひとたびよぎる 丞相じょうしょう
  • 顧眄 … ふりかえってみる。「顧」はかえりみる。「眄」は流し目でみること。
  • 丞相府 … 宰相の役所。
風流三接令公香
風流ふうりゅうたびせっす 令公れいこう
  • 風流 … ここでは名誉・光栄の意。世俗的なことを超越しているという意味ではない。
  • 令公香 … 魏の中書令となったじゅんいくがいつもよい香を焚きしめ、その坐ったあとに三日間残り香が漂ったので、人々はそれを令公香と呼んだという故事にもとづく。唐の中書令は宰相であるから、ここでは宰相の意に用いる。荀彧については、ウィキペディア【荀イク】参照。
南川粳稻花侵縣
南川なんせん粳稲こうとう はな けんおか
  • 南川 … 南の川べり。
  • 粳稲 … うるち米の稲。
  • 花侵県 … 稲の花が県城の中まで入り込んで咲き乱れている。
西嶺雲霞色滿堂
西嶺せいれい雲霞うんか いろ どう
  • 西嶺 … 西の山々。
  • 雲霞 … 雲とかすみ。
  • 色満堂 … (雲とかすみの)めでたい色が役所の中に満ちわたっている。綦毋潜の善政をたとえている。
共道進賢蒙上賞
ともう けんすすむれば上賞じょうしょうこうむると
  • 共道 … 世間ではみんな言っている。
  • 進賢蒙上賞 … 賢者を推薦すれば、格別の恩賞にあずかる。「上賞」は特に厚い恩賞。この一句は『史記』しょう相国しょうこく世家に、漢の高祖の言葉として「吾聞く、賢を進むれば上賞を受く(吾聞進賢受上賞)」にもとづく。原文はウィキソース『史記』蕭相国世家参照。
看君幾歳作臺郎
きみ幾歳いくとせ台郎だいろうるを
  • 幾歳 … 何年かのちに
  • 台郎 … 尚書省の郎中・員外郎をさして呼ぶ言葉。
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句 巻八 七言絶句
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