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送魏万之京(李頎)

送魏萬之京まんけいくをおくる)
     
  • 七言律詩。歌・河・過・多・跎(平声歌韻)。
  • 魏万 … 詩人。進士に及第したが官には仕えなかった。作者より年が若かったと思われる。
  • 京 … 都。長安。
  • 李頎 … 690~751?。盛唐の詩人。東川(今の雲南省会沢)の人。ウィキペディア【李キ】参照。
朝聞遊子唱離歌
あしたく 遊子ゆうし離歌りかとなうを
  • 朝 … あさ。
  • 遊子 … 旅人。ここでは魏万を指す。
  • 離歌 … 別れの歌。
昨夜微霜初渡河
昨夜さくや 微霜びそう はじめてかわわたれり
  • 微霜 … 薄い霜。
  • 渡河 … 霜が黄河の北から南へ広がる。すなわち冬が南へしだいに及んでいくことをいう。
鴻雁不堪愁裏聽
鴻雁こうがん 愁裏しゅうりくにえず
  • 鴻雁 … 雁のこと。ここでは雁の鳴き声。
  • 愁裏 … 旅愁のわびしい思い。
雲山況是客中過
雲山うんざん いわんや客中かくちゅうぐるをや
  • 雲山 … 雲のかかっている高い山。
  • 況 … まして~はなおさらである。
  • 客中 … 旅の道すがら。
關城樹色催寒近
関城かんじょう樹色じゅしょく かんうながしてちか
  • 関城 … 関所となっている町。
  • 樹色 … 木々の色。
  • 樹 … 底本では「曙」に作るが『全唐詩』に従い改めた。『全唐詩』には「一作曙」との注がある。
  • 催寒近 … 寒さをせきたてるかのように、近くにせまって見える。
御苑砧聲向晩多
御苑ぎょえん砧声ちんせい ばんむかっておおからん
  • 御苑 … 長安の御苑。
  • 砧声 … 冬着を作るための、布を打つきぬたの音。晩秋の風物。
莫見長安行樂處
ることかれ 長安ちょうあん行楽こうらくところ
  • 見 … 底本では「是」に作るが『全唐詩』に従い改めた。
  • 行楽処 … 遊び歩く場所。
空令歳月易蹉跎
むなしく歳月さいげつをして蹉跎さたたりやすからしめん
  • 蹉跎 … つまづく。貴重な時間を空費すること。
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句 巻八 七言絶句
漢詩 詩人別
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