他山の石
他山の石
- 出典:『詩経』小雅・鶴鳴(ウィキソース「詩經/鶴鳴」参照)
- 解釈:よその山から出たつまらない石でも、自分の玉を磨く砥石として役立つ。自分に関係のないよくない出来事や他人の誤った言行でも、それを参考にすれば自分の修養の助けになるということ。
- 詩経 … 中国最古の詩集。三百五編。孔子が編集したといわれる。風(諸国の民謡)・雅(宮廷の音楽)・頌(祭礼の歌)の三部からなる。風は国風ともいい、周南・召南・邶・鄘・衛・王・鄭・斉・魏・唐・秦・陳・檜・曹・豳の十五に分かれる。雅は大雅・小雅の二つに分かれる。頌は周頌・魯頌・商頌の三つに分かれる。五経の一つ。十三経の一つ。『毛詩』『詩』ともいう。ウィキペディア【詩経】参照。
鶴鳴于九皋 聲聞于天
鶴 九皐に鳴き 声 天に聞こゆ
- 鶴 … つる。
- 九皐 … 奥深い沢。
魚在于渚 或潛在淵
魚 渚に在り 或いは潜みて淵に在り
- 渚 … 水ぎわの地。
- 淵 … 水の深い所。
樂彼之園 爰有樹檀
楽しきかな彼の園は 爰に樹檀有り
- 爰 … 「ここに」と読む。
- 樹檀 … むくのき。他説として落葉低木「まゆみ」とし、「樹えたる檀」と訓読する。
其下維穀
其の下には維れ穀
- 穀 … こうぞ。
它山之石 可以攻玉
它山の石も 以て玉を攻く可し
- 它山 … ほかの山。よその山。「它」は「他」と同じ。
- 攻 … ここでは「みがく」と読む。玉を磨く。研ぐ。
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