善事を忘れざるは、後事の師なり
善事を忘れざるは、後事の師なり
- 賈誼 … 前200~前168。前漢の学者。洛陽(河南省)の人。わずか二十余歳で博士となったが大臣たちに妬まれ、長沙王の太傅に左遷された。賈生・賈長沙とも呼ばれる。その著に『新書』十巻などがある。ウィキペディア【賈誼】参照。
野諺曰、前事之不忘、後事之師也。
野諺に曰く、善事の忘れざるは、後事の師なり、と。
- 野諺 … 民間で用いられていることわざ。俗諺。
- 前事 … 前に行なった事。
- 後事 … あとからする事。
- 師 … 師匠。手本。
是以君子爲國、觀之上古、驗之當世、參以人事、察盛衰之理、審權勢之宜、去就有序、變化有時。故曠日長久、而社稷安矣。
是を以て君子の国を為むるや、之を上古に観、之を当世に験し、参ずるに人事を以てし、盛衰の理を察し、権勢の宜を審らかにし、去就序有り、変化時有り。故に曠日長久にして、社稷安し。
- 是以 … 「ここをもって」と読み、「こういうわけで」「このゆえに」「それゆえに」「だから」と訳す。「以是」は「これをもって」と読み、「この点から」「これにより」「これを用いて」と訳す。
- 為 … 治める。
- 上古 … 大昔。
- 観 … 鑑みる。
- 当世 … 今の時代。今の世。
- 験 … 試みる。
- 参以人事 … 人事を参照にする。
- 宜 … 好ましい結果になるところ。
- 序 … 順序。
- 変化有時 … 然るべき時に応じて変化すること。有は、応の意。
- 曠日 … むなしく日を過ごすこと。
- 長久 … 長く続くこと。
- 社稷 … 国家。
- 安 … 安泰であること。
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