水火を踏む
水火を踏む
- 出典:『論語』衛霊公第十五34(ウィキソース「論語/衞靈公第十五」参照)、『列子』黄帝(ウィキソース「列子/黃帝篇」参照)
- 解釈:危険を冒して物事を行うこと。また、非常に困難な状況に陥ることの喩え。
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
〔論語、衛霊公第十五〕
子曰、民之於仁也、甚於水火。水火吾見蹈而死者矣。未見蹈仁而死者也。
子曰、民之於仁也、甚於水火。水火吾見蹈而死者矣。未見蹈仁而死者也。
子曰く、民の仁に於けるや、水火よりも甚だし。水火は吾蹈みて死する者を見る。未だ仁を蹈みて死する者を見ざるなり。
- 詳しい注釈と現代語訳については「衛霊公第十五34」参照。
〔列子、黄帝〕
子夏曰、以商所聞夫子之言、和者大同於物。物無得傷閡者。游金石蹈水火、皆可也。
子夏曰、以商所聞夫子之言、和者大同於物。物無得傷閡者。游金石蹈水火、皆可也。
子夏曰く、商、聞く所の夫子の言を以てするに、和は物を大同にす。物、傷閡するを得る者無し。金石に游り水火を蹈むも、皆可なり、と。
- 子夏 … 前507?~前420?。姓は卜、名は商、字は子夏。衛の人。孔子より四十四歳年少。孔門十哲のひとり。子游とともに文章・学問に優れていた。ウィキペディア【子夏】参照。
- 商 … 子夏の名。ここでは、自称として用いている。わたくし。
- 夫子 … 先生。ここでは、孔子を指す。
- 和 … 中和。調和。
- 大同 … 物事を一体とすること。
- 傷閡 … 損ない礙げること。「閡」は「礙」に同じ。
- 游 … ここでは、もぐる。
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