危うきこと累卵のごとし
- 出典:『韓非子』十過(ウィキソース「韓非子/十過」参照)、『史記』范雎蔡沢列伝(ウィキソース「史記/卷079」参照)、他
- 解釈:卵を積みかさねたように、いつ崩れるかわからないような、きわめて危険な状態の喩え。「累卵の危うき」とも。
- 韓非子 … 二十巻五十五篇。戦国時代末期の思想家で、厳格な法治主義を唱え、信賞必罰を行うことを主張した韓非(?~前233)の著作を中心に、のちの法家一派の論を加えたもの。法による富国強兵と君主権の確立が説かれている。ウィキペディア【韓非子】参照。
- 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻の全百三十巻。ウィキペディア【史記】参照。
〔韓非子、十過〕
故曹小國也、而迫於晉楚之間、其君之危猶累卵也。
故に曹は小国にして、晋・楚の間に迫る、其の君の危うきこと猶お累卵のごときなり。
〔史記、范雎伝〕
秦王之國、危於累卵。得臣則安。然不可以書傳也。
秦王の国は、累卵よりも危うし。臣を得ば則ち安からん。然れども書を以て伝う可からざるなり。
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