浩然の気
浩然の気
- 出典:『孟子』公孫丑上(ウィキソース「孟子/公孫丑上」参照)
- 解釈:天地の間にみなぎっている、非常に大きく強い気のこと。
- 孟子 … 七編。戦国時代の思想家、孟子(前372?~前289)の言行や思想を弟子たちがまとめた書。四書の一つ。ウィキペディア【孟子 (書物)】参照。
敢問、夫子惡乎長。曰、我知言。我善養吾浩然之氣。
敢えて問う、夫子悪くにか長ぜる、と。曰く、我言を知る。我善く吾が浩然の気を養う、と。
- 夫子 … 先生を呼ぶ尊称。
- 悪乎長 … どの点でまさっているか。
- 知言 … 他人の言葉の真意を理解する。
- 浩然之気 … 天地の間に充満している非常に大きく強い気。
敢問、何謂浩然之氣。曰、難言也。
敢えて問う、何をか浩然の気と謂う、と。曰く、言い難し。
- 曰難言 … なかなか説明しにくい。「曰く言い難し」参照。
其爲氣也、至大至剛、以直養而無害、則塞于天地之閒。
其の気たるや、至大至剛、直を以て養うて害すること無ければ、則ち天地の間に塞がる。
- 至大至剛 … 非常に大きくて、このうえなく強い。
- 直 … 正しい道。
其爲氣也、配義與道。無是餒矣。是集義所生者、非義襲而取之也。行有不慊於心、則餒矣。
其の気たるや、義と道とに配す。是れ無ければ餒う。是れ集義の生ずる所の者にして、義襲うて之を取るに非ざるなり。行い心に慊からざること有れば、則ち餒う。
- 配義与道 … 正しい義と人の道とに配合されている。
- 餒 … うえる。
- 集義 … 積み重ねた善行。
- 非義襲而取之也 … 外から義が入り込んできて、その義をちょっと行なったら浩然の気が得られる、というようなものではない。
- 不慊 … 不満足。
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