以心伝心
以心伝心
- 出典:『六祖壇経』行由品(ウィキソース「六祖壇經/行由品」参照)
- 解釈:言葉に出さなくても、心が通じ合うこと。
- 六祖壇経 … 中国禅宗の第六祖慧能の遺録。唐の関耀元年(681)頃の成立。内容は、慧能一代の行実と大梵寺での説法集となっている。漸悟(漸次に悟る)の北宗禅に対し、頓悟(速やかに悟る)の南宗禅の思想を明確に示している。『六祖大師法宝壇経』『壇経』とも。ウィキペディア【六祖壇経】参照。
〔六祖大師法寶壇經、行由品第一〕(T2008, 48, 349a28-b01)
祖復曰、昔達磨大師初來此土。人未之信。故傳此衣以爲信體。代代相承。
祖復曰、昔達磨大師初來此土。人未之信。故傳此衣以爲信體。代代相承。
祖復た曰く、昔達磨大師、初めて此の土に来る。人未だ之れ信ぜず。故に此の衣を伝えて、以て信体と為して、代代相承す。
- 祖 … 五祖弘忍(602~675)を指す。ウィキペディア【弘忍】参照。
- 之 … 「これ~す」と読む。倒置・強調。
法則以心傳心、皆令自悟自解。
法は則ち心を以て心を伝え、皆自ら悟り自ら解せしむ。
- 法 … 仏法。釈尊の教え。
- 自悟自解 … 「自悟自解」と読んでもよい。「解」はわからせる。理解させる。
- 令 … 「~せしむ」と読み、「~させる」と訳す。使役の意を示す。
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