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尾生の信

せいしん
  • 出典:『史記』蘇秦列伝(ウィキソース「史記/卷069」参照)、『荘子』盗跖(ウィキソース「莊子/盜跖」参照)
  • 解釈:固く約束を守ること。また、融通がきかず、ばか正直なこと。春秋時代、魯の国の尾生という男が、女と橋の下で会う約束をし、橋の下で彼女を待っていた。そのうち上流で降った雨のため、川の水かさが増してきた。尾生は流されまいと橋げたに抱きついたまま、彼女の来るのを待ち続け、ついには溺れて死んでしまった、という話に基づく。
  • 史記 … 前漢の司馬遷がまとめた歴史書。二十四史の一つ。事実を年代順に書き並べる編年体と違い、人物の伝記を中心とする紀伝体で編纂されている。本紀十二巻、表十巻、書八巻、世家三十巻、列伝七十巻の全百三十巻。ウィキペディア【史記】参照。
〔史記、蘇秦列伝〕
尾生、與女子期於梁下、女子不來、水至不去、抱柱而死。
しんなることせいごときは、じょりょうし、じょきたらず、みずいたるもらず、はしらいだきてす。
  • 尾生 … 魯の人。姓は微生、名は高。正直者として有名。微生高とも。『論語』公冶長第五23参照。
  • 梁下 … 橋の下。
  • 水至 … 川の水かさが増す。
  • 抱柱 … 橋脚に抱きつく。転じて、信義を守ること。ばか正直なこと。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句