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大学 伝四章

子曰、聽訟、吾猶人也。必也使無訟乎。
わく、うったえをくは、われひとのごときなり。かならずやうったからしめんか、と。
  • ウィキソース「四書章句集註/大學章句」参照。
  • 子曰~無訟乎 … 『論語』顔淵篇にある言葉。
  • 聴訟 … 両者の訴えを聞いて、正しい判決を与えること。
  • 吾猶人也 … わたしも他の人と同じだ。人並みの能力しかない。朱注には「猶お人のごとしとは、人に異ならざるなり」(猶人、不異於人也)とある。
  • 猶 … 「なお~のごとし」と読み、「ちょうど~のようだ」と訳す。再読文字。
  • 必也使無訟乎 … どうかして、この世の中から訴訟ごとそのものを無くしたいということである。
  • 必也 … ぜひとも。どうかして。
無情者、不得盡其辭。
まことものは、ことばくすことをず。
  • 無情者 … 誠実でない者。朱注には「情は、実なり」(情、實也)とある。
  • 不得尽其辞 … 虚偽の言葉を主張し通すことができない。
大畏民志。
おおいにみんおそれしむ。
  • 民志 … 民衆の心。
  • 畏 … 畏服させる。恐れつつしんで従わせる。
此謂知本。
これもとるとう。
  • 此謂知本 … これをもとを知るというのである。「本」は、本末のもと、明徳を指す。この句は伝五章にも重出し、朱子は伝五章の方を衍文とした。
  • 朱注には「ふうの言を引きて、聖人は能く実無きの人をして敢えて其の虚誕きょたんの辞を尽くさざらしむるを言う。けだし我の明徳既に明らかにして、自然に以て民の心志を畏服せしむる有り。故に訟えは聴くを待たずしておのずから無きなり。此の言を観て、以て本末の先後を知る可し」(引夫子之言、而言聖人能使無實之人不敢盡其虛誕之辭。蓋我之明德既明、自然有以畏服民之心志。故訟不待聽而自無也。觀於此言、可以知本末之先後矣)とある。「虚誕」は、おおげさな嘘。でたらめ。
右傳之四章、釋本末。
みぎでんしょう本末ほんまつしゃくす。
  • 本末 … もとすえ。「本」は明徳を指し、「末」は新民を指す。
  • 釈 … 解釈したものである。
  • 朱注には「此の章は、旧本には誤りて『止於信』の下に在り」(此章舊本誤在止於信下)とある。
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