>   その他   >   大学   >   伝二章

大学 伝二章

01 湯之盤銘曰、苟日新、日日新、又日新。
とうばんめいわく、まことあらたに、日日ひびあらたに、またあらたなり、と。
  • ウィキソース「四書章句集註/大學章句」参照。
  • 湯 … 殷(商ともいう)王朝を創始した湯王のこと。姓名は子履しり。成湯・商湯・天乙とも。桀王けつおうを討って天下を統一し、殷(商)を開いた。ウィキペディア【天乙】参照。
  • 盤 … 洗面や沐浴に使う水盤。かなだらい。朱注には「盤は、沐浴の盤なり」(盤、沐浴之盤也)とある。
  • 銘 … 刻まれている文字。朱注には「銘は、其の器に名づけて、以て自ら警むるの辞なり」(銘、名其器、以自警之辭也)とある。
  • 苟 … 「誠」と同じ。朱注には「苟は、誠なり」(苟、誠也)とある。
  • 日新、日日新、又日新 … 一日新たにし、日々に新たにし、さらに日ごとに新たにする。
  • 朱注には「湯おもえらく、人の其の心を洗濯し、以て悪を去るは、其の身を沐浴し、以てあかを去るが如し、と。故に其の盤に銘せり。言うこころは、誠に能く一日以て其の旧染のあらいて自ら新たにする有らば、則ち当に其のすでに新たなる者に因りて、日々に之を新たにし、又日に之を新たにすべくして、ゆめにも間断有る可からず、となり」(湯以、人之洗濯其心、以去惡、如沐浴其身、以去垢。故銘其盤。言誠能一日有以滌其舊染之汙而自新、則當因其已新者、而日日新之、又日新之、不可略有間斷也)とある。
02 康誥曰、作新民。
康誥こうこうわく、あらたにするのたみおこす、と。
  • 康誥 … 『書経』しゅうしょ康誥こうこう篇の一節。ウィキソース「尚書/康誥」参照。
  • 作新民 … 自己を革新しようとする人民を奮い立たせる。「作」は、鼓舞する。朱注には「之を鼓し之を舞する、之を作と謂う。言うこころは、其の自ら新たにするの民を振起す、となり」(鼓之舞之之謂作。言振起其自新之民也)とある。
03 詩曰、周雖舊邦、其命維新。
わく、しゅうきゅうほうなりといえども、めいあらたなり、と。
  • 詩 … 『詩経』大雅・文王篇の一節。朱注には「詩は、大雅文王の篇」(詩、大雅文王之篇)とある。ウィキソース「詩經/文王」参照。
  • 周 … 周王朝のこと。武王が殷を滅ぼして建てた。前1046頃~前256。ウィキペディア【】参照。
  • 旧邦 … 古い国。
  • 其命維新 … 天命が下ったのは新しい。文王がその徳を民にまで及ぼした結果、そこではじめて天命を受けた。つまり、文王に天子として天下を治めるようにと、新たに天命が下ったということ。朱注には「言うこころは、周国はふるしと雖も、文王に至りて、能く其の徳を新たにし、以て民に及ぼして、始めて天命を受けたり、となり」(言周國雖舊、至於文王、能新其德、以及於民、而始受天命也)とある。
04 是故君子無所不用其極。
ゆえくんきょくもちいざるところし。
  • 是故 … こういうわけで。
  • 極 … 最高の善。この上ない善。至極の善。至善。朱注には「自ら新たにすると民を新たにするとは、皆至善に止まらんことを欲するなり」(自新新民、皆欲止於至善也)とある。
  • 無所不用 … 用いないところはない。すべてのところで必ず用いる。
右傳之二章、釋新民。
みぎでんしょうたみあらたにすることをしゃくす。
  • 新民 … 民衆を教化して民衆を革新する。民衆を教化して民衆の性格をかえる。
  • 釈 … 解釈したものである。
大学章句序 大学 朱熹章句
経一章 伝一章
伝二章 伝三章
伝四章 伝五章補伝
伝六章 伝七章
伝八章 伝九章
伝十章