野に遺賢無し
野に遺賢無し
- 出典:『書経』虞書・大禹謨(ウィキソース「尚書/大禹謨」参照)
- 解釈:賢者がすべて登用されていて、民間に隠れた人材がいない。すぐれた人材が集まって、よい政治が行われ、天下が安らかに治まることをいう。「野」は、民間。「遺賢」は、民間に埋もれている有能な人。
- 書経 … 儒教の経典。五十八編。『書』『尚書』ともいう。堯・舜から秦の穆公に至るまでの政治における記録を集めたもの。内容は、王の誓いや訓告の言葉が大部分を占めている。五経の一つ。十三経の一つ。ウィキペディア【書経】参照。
后克艱厥后、臣克艱厥臣、政乃乂、黎民敏德。
后克く厥の后たるを艱しとし、臣克く厥の臣たるを艱しとせば、政乃ち乂まり、黎民徳に敏めん。
- 后 … 「きみ」と読む。君主。「きさき」ではない。
- 厥 … その。それ。「其」と、ほぼ同じ。
- 艱 … 難しい。「難」と、ほぼ同じ。
- 乂 … おさまる。
- 黎民 … 人民。庶民。「黎」は、浅黒く日焼けした人民のこと。
帝曰、兪。允若茲、嘉言罔攸伏、野無遺賢、萬邦咸寧。
帝曰く、兪り。允に茲の若くならば、嘉言伏する攸罔く、野に遺賢無く、万邦咸寧からん。
- 兪 … 応答の辞。そうだ。その通りだ。
- 允 … まことに。
- 嘉言 … 立派な意見。
- 野 … 朝廷に対して、民間のこと。「や」と読む。「の」とは読まない。
- 遺賢 … 官吏として用いられずに民間にいる賢者。
- 万邦 … すべての国。万国。
- 咸 … 「みな」と読む。すべて。
- 寧 … 安らか。
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