多多益々辦ず
多多益々辦ず
- 出典:『漢書』韓信伝(ウィキソース「漢書/韓彭英盧吳傳」参照)
- 解釈:多ければ多いほどうまく処置する。多ければ多いほどよい。「弁ず」は、処理すること。
- 漢書 … 百二十巻。前漢の歴史を記した歴史書。後漢の班固の撰著。二十四史の一つ。ウィキペディア【漢書】参照。
上嘗從容與信言諸將能。各有差。上問曰、如我、能將幾何。信曰、陛下不過能將十萬。上曰、如公何如。曰、如臣、多多益辦耳。
上、嘗て従容として信と諸将の能を言う。各〻差有り。上問いて曰く、我の如きは、能く幾何に将たる、と。信曰く、陛下は能く十万に将たるに過ぎず、と。上曰く、公の如きは何如。曰く、臣の如きは、多多益〻弁ずるのみ、と。
- 上 … 「上」と読む。漢の高祖、劉邦。
- 信 … 韓信。
- 幾何 … どれくらい。
上笑曰、多多益辦、何爲爲我禽。信曰、陛下不能將兵、而善將將。此乃信之爲陛下禽也。且陛下所謂天授、非人力也。
上笑いて曰く、多多益〻弁ぜば、何為れぞ我が禽と為る、と。信曰く、陛下は兵に将たること能わざるも、善く将に将たり。此れ乃ち信の陛下の為に禽わるるなり。且つ陛下は所謂天授にして、人力に非ざるなり、と。
- 禽 … 捕虜。
- 将将 … 大将を指揮する大将。
- 天授 … 天から授けられた才能。
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