推敲
推敲
- 出典:『唐詩紀事』巻四十(ウィキソース「唐詩紀事 (四庫全書本)/卷40」参照)
- 解釈:文章の字句を何度も練り直すこと。唐の詩人賈島が自作の句「僧は推す月下の門」の「推す」を「敲く」にするかどうか迷い、何度も練り直したという故事から。
- 唐詩紀事 … 八十一巻。宋の計有功の編。唐代の詩人1150人について、その詩・小伝および批評などを集めたもの。ウィキペディア【唐詩紀事】(中文)参照。
島赴舉至京、騎驢賦詩、得僧推月下門之句。
島、挙に赴きて京に至り、驢に騎りて詩を賦し、僧は推す月下の門の句を得たり。
欲改推作敲。
推を改めて敲と作さんと欲す。
- 敲 … (門を)たたく。
- 欲 … 「ほっす」と読み、「~したいと思う」「~したいと願う」と訳す。
引手作推敲之勢、未決。
手を引きて推敲の勢いを作すも、未だ決せず。
- 引手 … 手振りをする。手で門を押したり、たたいたりのしぐさをする。
- 推敲之勢 … 押すと敲くのしぐさ。
- 未決 … まだ決まらない。なかなか決められない。「未」は「いまだ~(せ)ず」と読み、「まだ~しない」と訳す。再読文字。
不覺衝大尹韓愈。
覚えず大尹韓愈に衝る。
乃具言。
乃ち具さに言う。
- 乃 … 「すなわち」と読み、「そこで」と訳す。
- 具 … 「つぶさに」と読み、「詳しく」「事細かく」と訳す。
愈曰、敲字佳矣。
愈曰く、敲の字佳し、と。
- 佳 … よい。
- 矣 … 置き字。訓読しない。断定の意を示す。
遂竝轡論詩。
遂に轡を並べて詩を論ず。
- 遂 … 「ついに」と読み、「そのまま」と訳す。「とうとう」の意味ではない。「とうとう」のときは、「卒」「終」などが用いられる。
- 並轡 … 馬の頭を並べていっしょに行くこと。「轡」は、手綱。
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