>   故事成語   >   か行   >   換骨奪胎

換骨奪胎

換骨かんこつ奪胎だったい
  • 出典:『冷斎夜話』巻一、換骨奪胎法(ウィキソース「冷齋夜話」参照)
  • 解釈:古人の作った詩文に基づいて、その形式や内容を生かしながら、これに創意を加え、自分なりの新しい作品を作ること。「ほねたいうばう」と訓読する。胎は、子の宿るところ。子宮。
  • 冷斎夜話 … 十巻。北宋の釈慧洪(1071~1128)の撰。自己の見聞した諸事を雑記したもの。その中の大部分を詩話が占めている。ウィキペディア【冷斋夜话】(中文)参照。
山谷云、詩意無窮、而人之才有限。以有限之才、追無窮之意、雖淵明少陵、不得工也。
山谷さんこくう、詩意しいきわまりくして、ひとさいかぎり。かぎるのさいもって、きわまりきのえば、淵明えんめい少陵しょうりょういえども、たくみなるをざるなり。
  • 山谷 … 北宋の詩人、黄庭堅(1045~1105)の号。ウィキペディア【黄庭堅】参照。
  • 詩意 … 詩の意味内容。
  • 無窮 … 限りがないこと。無限。
  • 淵明 … 東晋の詩人、陶淵明(365~427)のこと。ウィキペディア【陶淵明】参照。
  • 少陵 … 盛唐の詩人、杜甫(712~770)のこと。少陵野老と号したため。少陵は、もとは漢の宣帝の皇后、許后を葬った陵の名。長安の南郊にある。宣帝の「杜陵」よりやや小さいところからいう。杜甫はその付近に住んでいた。ウィキペディア【杜甫】【杜陵県 (陝西省)】参照。
  • 工 … 巧み。上手である。
然不易其意而造其語、謂之換骨法、規模其意形容之、謂之奪胎法。
しかれどもえずしてつくる、これ換骨法かんこつほうい、規模きぼとしてこれ形容けいようする、これ奪胎法だったいほうう。
  • 不易其意而造其語 … その意味を変えないで、言葉だけを作り変える。
  • 規模其意形容之 … その意味を手本として、それを少し変えて表現する。
  • 規模 … 物事の手本。「窺入」に作るテキストもある。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句