宋襄の仁
宋襄の仁
- 出典:『十八史略』巻一・春秋戦国・宋(国立国会図書館デジタルコレクション「十八史畧 一」参照)、『春秋左氏伝』僖公二二年
- 解釈:無益のなさけ。宋の襄公が楚と争っていたとき、敵が陣を敷かないうちに攻めようという臣下の進言に対し、「人の困っているときに苦しめてはならぬ」と言って攻めなかったため、負けてしまったという故事による。
- 十八史略 … 七巻。元の曾先之撰。『史記』から『新五代史』までの十七の正史に、宋代の史書を加えて十八史とし、その概要を編年体でまとめたもの。史料的価値はほとんどないが、我が国では初学者のための入門書として広く読まれており、特に江戸時代には『論語』『唐詩選』とともに、初学者の必読書とされた。ウィキペディア【十八史略】参照。
〔十八史略、春秋戦国、宋〕
〔宋〕子姓、商紂庶兄微子啓之所封也。後世至春秋、有襄公玆父者、欲霸諸侯、與楚戰。公子目夷、請及其未陣撃之。公曰、君子不困人於阨。遂爲楚所敗。世笑以爲宋襄之仁。
〔宋〕子姓、商紂庶兄微子啓之所封也。後世至春秋、有襄公玆父者、欲霸諸侯、與楚戰。公子目夷、請及其未陣撃之。公曰、君子不困人於阨。遂爲楚所敗。世笑以爲宋襄之仁。
宋は子姓、商紂の庶兄微子啓の封ぜられし所なり。後世春秋に至り、襄公玆父という者有り、諸侯に覇たらんと欲し、楚と戦う。公子目夷、其の未だ陣せざるに及んで之を撃たんと請う。公曰く、君子は人を阨に困しめず、と。遂に楚の敗る所と為る。世笑いて以て宋襄の仁と為す。
- 子姓 … 子孫。
- 商紂 … 商は殷。殷の紂王。
- 庶兄 … 腹違いの兄。
- 公子 … 諸侯の子。
- 阨 … 困難にぶつかり苦しむこと。阨窮。
- 世 … 世間の人。
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