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終日、違わざること愚なるが如し

しゅうじつたがわざることなるがごと
  • 出典:『論語』為政第二9(ウィキソース「論語/爲政第二」参照)
  • 解釈:一日中顔回と話をしていると、私の言うことには逆らわないで、まるで愚か者のようである。顔回を評した孔子の言葉。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、吾與回言終日、不違如愚。退而省其私、亦足以發。回也不愚。
いわく、われかいうことしゅうじつたがわざることなるがごとし。退しりぞきてわたくしかえりみれば、もっはっするにる。かいならず。
  • 回 … 前521~前490。孔子の第一の弟子。姓は顔、名は回。あざなえんであるので顔淵とも呼ばれた。の人。徳行第一といわれた。孔子より三十歳年少。早世し孔子を大いに嘆かせた。なお、「回」の字は「囘」に作るテキストもある。こちらは旧字ではなく異体字。ウィキペディア【顔回】参照。
  • 与回 … 回と。与は「~と」と読み、「~と」と訳す。
  • 終日 … 一日じゅう。
  • 不違 … 孔子の言われたことに逆らわない。意見を異にしない。
  • 如愚 … 一見するところ馬鹿のようである。
  • 退 … 顔回が孔子の前をしりぞく。孔子がしりぞくという説もある。
  • 省 … 観察する。
  • 其 … 顔回を指す。
  • 私 … 私生活。ひとりでくつろいでいるときや、他の弟子たちといっしょにいるとき。また荻生徂徠は「私語」の意であるという。詳しくは「補説」参照。
  • 足以 … 十分できる。
  • 発 … 発明させる(何かを思いあたらせる)。また「啓発する」と解釈する説もある。
  • 回也 … ここの「也」は文末にくる「也」とは違い、文中の名詞(人名)の下にくる場合は、「也」を「者」(助詞の「は」)に置き換えて解釈することができる。「回者不愚」(回は愚ならず)という意味になる。詳しくは『漢文法基礎』(講談社学術文庫)210~213頁参照。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「為政第二9」参照。
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