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信賞必罰

しんしょう必罰ひつばつ
  • 出典:『韓非子』内儲説ないちょせつ上(ウィキソース「韓非子/內儲說上七術」参照)、『韓非子』外儲説がいちょせつ右上(ウィキソース「韓非子/外儲說右上」参照)、『漢書』宣帝紀賛(ウィキソース「漢書/卷008」参照)
  • 解釈:功績のある者には必ず賞を与え、罪を犯した者は必ず罰すること。賞罰を明らかにし、きちんと行うこと。
  • 韓非子 … 二十巻五十五篇。戦国時代末期の思想家で、厳格な法治主義を唱え、信賞必罰を行うことを主張したかん(?~前233)の著作を中心に、のちの法家一派の論を加えたもの。法による富国強兵と君主権の確立が説かれている。ウィキペディア【韓非子】参照。
  • 漢書 … 百二十巻。前漢の歴史を記した歴史書。後漢のはんの撰著。二十四史の一つ。ウィキペディア【漢書】参照。
〔韓非子、内儲説上〕
主之所用也七術。所察也六微。七術、一曰、衆端參觀。二曰、必罰明威。三曰、信賞盡能。四曰、一聽責下。五曰、疑詔詭使。六曰、挾知而問。七曰、倒言反事。此七者、主之所用也。
しゅもちうるところしちじゅつあり。さっするところりくしちじゅつとは、いちいわく、しゅうたん参観さんかんす。いわく、必罰ひつばつしてあきらかにす。さんいわく、しんしょうしてのうくさしむ。いわく、いっちょうしてしもむ。いわく、しょう詭使きしす。ろくいわく、さしはさみてう。しちいわく、げんさかしまにしことかえす。七者しちしゃは、しゅもちうるところなり。
  • 主 … 君主。
  • 用 … (臣下を統率するために)用いなければならないこと。
  • 七術 … 七つの方法。
  • 察 … (臣下について)推察する。洞察する。
  • 六微 … 六つの隠微の法。
  • 衆端 … 多くの事柄。
  • 参観 … 検証する。
  • 威 … 威力。威厳。
  • 能 … 能力。
  • 疑詔 … 疑心を以て詔すること。
  • 詭使 … はかりごとを設けて使うこと。
  • 挟知 … 知らないふりをする。
  • 倒言 … 逆に言うこと。
〔韓非子、外儲説右上〕
公曰、無得不戰奈何。狐子對曰、信賞必罰、其足以戰。
こういわく、たたかわざるをからしむること奈何いかん、と。狐子こしこたえていわく、しんしょう必罰ひつばつもったたかわしむるにる、と。
  • 公 … 晋の文公を指す。在位前636~前628。ウィキペディア【文公 (晋)】参照。
  • 狐子 … 文公の名臣、えん(?~前629)。あざなは子犯。舅犯・咎犯ともいう。ウィキペディア【狐偃】参照。
〔漢書、宣帝紀賛〕
孝宣之治、信賞必罰、綜核名實。
孝宣こうせんは、しんしょう必罰ひつばつ名実めいじつ綜核そうかくす。
  • 孝宣 … 前漢の第10代の皇帝、宣帝。在位前74~前48。諡号は孝宣皇帝。ウィキペディア【宣帝 (漢)】参照。
  • 治 … 統治。
  • 名実 … 評判と実際。
  • 綜核 … まとめて突き詰める。詳しく調べる。
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