青雲の志
青雲の志
- 出典:王勃「滕王閣の序」(『古文真宝後集』巻三、『文苑英華』巻七百十八、ウィキソース「滕王閣序」「文苑英華 (四庫全書本)/卷0718」参照)
- 解釈:出世して高い地位につきたいと願う志。立身出世をしようとする志。功名心。
所賴君子安貧、達人知命。
頼む所は君子は貧に安んじ、達人は命を知る。
- 所頼 … ただ心頼みにしていることは。
- 安貧 … 貧しさに中にいても、心安らかでいること。
- 達人 … 物事の道理に通じた人。陶淵明「飲酒二十首」詩(其一)に「達人は其の会を解し、逝〻将に復た疑わざらんとす」(達人解其會、逝將不復疑)とある。ウィキソース「飲酒二十首」参照。
- 命 … 天命。天が与えた使命。
老當益壯。寧知白首之心。
老いては当に益〻壮んなるべし。寧ぞ白首の心を知らん。
- 老当益壮 … 大人物は老いてもますます元気で盛んでなくてはならない。『後漢書』馬援伝に「丈夫の志を為すや、窮しては当に益〻堅かるべく、老いては当に益〻壮んなるべし」(丈夫爲志、窮當益堅、老當益壯)とあるのに基づく。ウィキソース「後漢書/卷24」参照。
- 寧知 … 「なんぞ~をしらん」と読み、「どうして~を知るであろうか」と訳す。反語の意を示す。
- 白首之心 … 白髪になってもなお不遇で、いつかは用いられたいと願う心。白首は、白髪頭。劉長卿「鄭説の歙州に之きて薛侍郎に謁せんとするを送る」詩に「老いては滄洲の趣を得、春には白首の情を傷ましむ」(老得滄洲趣、春傷白首情)とある。ウィキソース「送鄭說之歙州謁薛侍郎」参照。
窮且益堅、不墜青雲之志。
窮しては且に益〻堅からんとして、青雲の志を墜とさず。
- 窮且益堅 … 窮乏しているときは、その志をますます固くして屈しないようにする。出典は、上掲「老当益壮」の注参照。
- 且 … 「まさに~せんとす」と読み、「今にも~しようとする」と訳す。再読文字。「将」に同じ。
- 不墜 … 落とさない。志を持ち続けること。
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