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青雲の志

青雲せいうんこころざし
  • 出典:王勃「滕王閣の序」(『古文真宝後集』巻三、『文苑英華』巻七百十八、ウィキソース「滕王閣序」「文苑英華 (四庫全書本)/卷0718」参照)
  • 解釈:出世して高い地位につきたいと願う志。立身出世をしようとする志。功名心。
  • 滕王閣 … 唐の高祖の末子で滕王に封ぜられた元嬰げんえいが、こうしゅう(今の江西省南昌市)に建てた楼閣の名。ウィキペディア【滕王閣】参照。
  • 王勃 … 650~676。初唐の詩人。こうしゅう竜門(山西省しん県)の人。あざなあん。王績の兄である王通(おうとう・おうつう、文中子)の孫。乾封元年(666)、ゆう(唐代の科挙の科目名)の挙に及第。朝散郎を授けられた。南海を舟で渡る途中、溺死した。初唐四傑(王勃・楊炯・盧照鄰・駱賓王)の一人に数えられる。『王子安集』十六巻がある。ウィキペディア【王勃】参照。
所賴君子安貧、達人知命。
たのところくんひんやすんじ、達人たつじんめいる。
  • 所頼 … ただ心頼みにしていることは。
  • 安貧 … 貧しさに中にいても、心安らかでいること。
  • 達人 … 物事の道理に通じた人。陶淵明「飲酒二十首」詩(其一)に「達人は其の会を解し、逝〻ゆくゆく将に復た疑わざらんとす」(達人解其會、逝將不復疑)とある。ウィキソース「飲酒二十首」参照。
  • 命 … 天命。天が与えた使命。
老當益壯。寧知白首之心。
いてはまさ益〻ますますさかんなるべし。なん白首はくしゅこころらん。
  • 老当益壮 … 大人物は老いてもますます元気で盛んでなくてはならない。『後漢書』馬援伝に「丈夫の志を為すや、窮しては当に益〻堅かるべく、老いては当に益〻壮んなるべし」(丈夫爲志、窮當益堅、老當益壯)とあるのに基づく。ウィキソース「後漢書/卷24」参照。
  • 寧知 … 「なんぞ~をしらん」と読み、「どうして~を知るであろうか」と訳す。反語の意を示す。
  • 白首之心 … 白髪になってもなお不遇で、いつかは用いられたいと願う心。白首は、白髪頭。劉長卿「鄭説の歙州に之きて薛侍郎に謁せんとするを送る」詩に「老いては滄洲の趣を得、春には白首の情を傷ましむ」(老得滄洲趣、春傷白首情)とある。ウィキソース「送鄭說之歙州謁薛侍郎」参照。
窮且益堅、不墜青雲之志
きゅうしてはまさ益〻ますますかたからんとして、青雲せいうんこころざしとさず。
  • 窮且益堅 … 窮乏しているときは、その志をますます固くして屈しないようにする。出典は、上掲「老当益壮」の注参照。
  • 且 … 「まさに~せんとす」と読み、「今にも~しようとする」と訳す。再読文字。「将」に同じ。
  • 不墜 … 落とさない。志を持ち続けること。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句